研究員ブログ

令和リレーブログ その10

研究員の越智です。 

梅雨入りして以降、雨の日が多いですね。昨年発生した豪雨災害が再び起きないことを祈るばかりです。あと、私ごとではありますが、雨が降ると趣味のランニングができないのが残念です(>_<) 

さて、今回は、愛媛県からの受託事業の一つで、私が担当している「集落活性化モデル構築事業」の一環として先月下旬に訪問しました静岡県松崎町での先進地視察の状況についてご報告したいと思います。 

本事業は、昨年度から2か年事業として実施しているもので、地域の人口の安定化を目指し、手の届くレベルの人口増加目標を掲げた上で、その目標の達成に向けて地元住民が主体となって活動している「地域づくり協働体」をモデル地区として指定し、当センターが目標設定からその目標を達成するための計画づくり、及びその計画の実行までを支援・協力していくというものです。 

今回、そのモデル地区として選定しているのが、伊予市三秋地区、松野町蕨生・奥野川地区、愛南町緑地域の3地区です。 

モデル地区のうち、伊予市三秋地区において昨年度策定された5つの「行動計画」の一つに、「みあき明神山古道復活プロジェクト」というものがあります。同プロジェクトは、伊予市三秋にある明神山(標高634m)に、数十年間に渡たって途絶えていた登山ルート(古道)を復活させ、不特定多数向けに登山イベントを開催することにより交流人口の拡大を図り、ひいては移住・定住による人口増加を目指すというものです。

 同プロジェクトを推進する中で、静岡県松崎町においても同じく数十年間に渡り、同じように使われなくなり山中に埋もれたままの古道を復活させて、現在、MTB(マウンテンバイク)ツアーを行っている会社があることを知りました。その古道を復活させた方法や、古道の整備方法や管理・運営面等について様々な観点から聞き取りを行うため、今回先進地視察先として、「地域新聞みあき」の編集員とともに合計5名で同社を訪れたものです。 

そのツアーを実施している会社は、株式会社ベーストレス(静岡県賀茂郡松崎町379-2)で、年間約1,500人のお客様が関東圏を中心に訪れているそうです。行政や地元森林組合、及び地域住民とも協力しながら、MTBツアーを活用した地域活性化への取組みにより、一定の成果を挙げられています。

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写真は、今回参加した初・中級レベルの「ファンライドツアー」の様子です。ちなみに、3種類のコースが設定されており、上級者向けの「エピックツアー」は標高750m地点から一気に下るコースとのことです。 

もちろんMTBツアーを楽しんだだけでなく、ツアー終了後には、事前に準備していた質問表をもとに、同社スタッフから詳細に聞き取りを行いました。その主な聞き取り内容は、古道をMTBコースとして開通させるために古道の地権者と行った交渉方法や、開通させるために実施したルートの整備方法・維持管理状況、および同ツアーの周知や集客方法などについてです。 

その聞き取りの中で、特に印象に残ったのが、行政や地元森林組合、地元住民等の信頼関係の構築を強く意識されていた点であります。同社が行うMTBツアー事業を、地元の関係者にどのようにすれば受け入れてもらえやすい環境が作れるのかという、ごく当たり前のことではありますが、すぐに疎かにしてしまいそうなことの重要性について熱く語っておられました。 

この信頼関係の構築の大切さについては、様々な場面で需要視されているものの、世の中で起きているあらゆるトラブルの原因は、この信頼関係の欠如にあると言っても過言ではないと思います。 

そのほかにも今後、明神山の古道を復活させるプロジェクトを推進する中で、とても参考になるお話を多く聞くことができました。

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ちなみに、不特定多数向けの「明神山登山イベント」については、11月23日(土・祝)を予定しています。ご興味のある方は、是非参加してみてはいかがでしょうか?ただし、かなり勾配のきつい箇所もありますので、登山経験者、もしくは健脚の方でないと登頂は難しいかもしれません。

 以下の写真は、今年3月21日(木・祝)に明神山に登った時に撮影したものです。

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PS.次回は徳永研究員にリレーします。