研究員ブログ

兵庫県ソフトセルロース利活用プロジェクト

 12月9日(木)には、「こうべバイオガス活用設備」の視察をしましたが、翌10日(金)に農林水産省ソフトセルロース利活用技術確立事業として全国で4箇所実施されているうちの1つ「兵庫県ソフトセルロース利活用プロジェクト」を視察しました。本プロジェクトでは、稲わらといったソフトセルロースからバイオエタノールを製造しており、その特徴として前処理に「水熱分解」を用いている事と、糖化でC6糖化とC5糖化を実施していることが他のプロジェクトと異なっています。
 バイオエタノールの生産では、アメリカではでんぷん質原料としてトウモロコシが用いられ、ブラジルでは糖質原料としてサトウキビ由来のモラセスが用いられています。日本においても、糖質原料、でんぷん質原料からのバイオエタノール製造は実施されていますが、より生産を拡大するためには、国内で未利用とされている稲わら等のソフトセルロース系原料からのバイオエタノール生産を安価に行うことが求められています。しかしながら、前述の原料よりも、ソフトセルロース系原料からのバイオエタノール製造は技術的ハードルが高く、実用化するためには技術開発が必要となっています。今回視察させていただいた施設では、平成20年から事業を実施しており、平成22年度には評価を行うそうですので、農山村地域でのエネルギーの地産地消が可能となる技術であり、結果を期待しています。
               (研究員 三好進祐)