研究員ブログ

真珠の浜揚げ作業

 昨年の11月19日に、2009年度の宇和海産真珠の品質を占う「第31回県浜揚真珠品評会」が宇和島市役所で開かれ、巻き(真珠層の厚み)は例年以上との報道でした。
 11月下旬からは浜揚げが始ましたが、年内は越し物(養殖期間1年以上)真珠が中心で、年が明けてからは当年物(養殖期間1年未満)真珠となりました。昨年は不況の影響で県産真珠生産額は前年の半分くらいで、過去30年で最低の結果になり真珠養殖は不振を極めました。
 実家は津島町で真珠養殖をしているのですが、昨年12月の越し物の浜揚げは成績も価格も「まずまず」だったとのことでしたが、昨年は年が明けてからの当年物の入札会が散々だったので、今年も当年物の入札会を見てみないと何とも言えないとのことでした。
 毎年、この時期は浜揚げを手伝っているので、今年も1月17日に行ってきました。浜揚げ作業は、まずは貝出し作業(養生ネットから貝を取り出し、くっ付いている貝を一個ずつに千切る作業・・・・前日に終了)です。次は貝割り作業(貝割り用メスで貝柱を切って開く作業・・・・8名)で、そして肉取り作業(肉取り用メスで真珠が入っている肉と貝柱を分ける作業・・・・9名)、最後に珠出し作業(肉砕機を使って真珠が入っている肉から真珠を取り出す・・・・3名)と貝柱を塩水で洗う作業(専用の機械を使う)をすれば、一連の作業は終了です。今回はこれらの作業を20名で行い、当日は28,000個の貝の浜揚げをしました。あと今月と来月に1回ずつの浜揚げを予定しているとのことでした。
 浜揚げが終わると、また珠入れ・貝掃除等の真珠養殖作業が始まるので、仕事に追われる日が続くことになります。そして12月の越し物の浜揚げ ⇒ 翌年の当年物の浜揚げ ⇒ 珠入れ・貝掃除等 これらの作業の繰り返しが真珠養殖です。

(企画研究部門 研究員 河野茂樹)