研究員ブログ

視点

最近、職場までの3キロほどの通勤を、健康とダイエットのため自転車から徒歩に変えた。
自転車で「走る」から自分の足で「歩く」へ。
社会人になってから「歩く」という行為は忘却の彼方だったのだが、流行のメタボリック症候群が忍び寄る今、出来ることからはじめようと一念発起。

いざ歩いてみると、これまでと違う景色があることに驚く。
道端の草や木なども、晴れた日と雨の日で全く違う表情を見せる。
自転車では気にも留めないような、見慣れた場所に新たな発見があったりと新鮮だ。
私といえば、無駄な脂肪が燃焼する感覚(?)がとても心地よく、天候にかかわらず毎日笑顔で通勤のひとときを楽しんでいる。

「地域づくりはよそ者、若者、ばか者」というフレーズ。
(一昨日の谷本研究員ブログと重複して恐縮だが)
この三者に共通しているのは「違う視点」ということ。
地域づくりという分野では古くから言われてきた言葉なのだが、恥ずかしながら初めて聞いたのはつい最近、4月中旬に松山大学で行われたベンチャー講座だった。
石見銀山を後背地に持つ、島根県温泉津(ゆのつ)温泉の老舗旅館を継いだ、山根多恵さんの講義。
温泉旅館でありながら源泉の栓を止め、みかん風呂でコストダウンしたり、週末の3日のみ旅館を営業し、残りの4日は地域課題の道筋を探る「地域貢献日」に設定したりと、柔軟な発想で独自路線を走る若女将はJターン。
高齢化率42%の温泉津の町を元気にする、「違う視点」の持ち主であった。

”歩く”ことで、自転車とはまた「違う視点」から感じるように、地域づくりにおいても、この感覚を念頭におくことの重要性を、山根多恵女将の話を思い出して感じた。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 坂本耕紀)