研究員ブログ

街道灯篭祭り 紫陽花の道をゆく

6月2日(土)に愛媛県のお隣である高知県四万十市安並地区で開催されたロウソクでライトアップする「あじさいプロムナード」(主催:四万十かいどう推進協議会)を取材しました。このイベントは「四万十・南伊予風景街道 街道灯籠祭り」と銘打って、「灯籠」というひとつの共通項により、四国西南地域の地域づくりイベントを連携して発信しようという狙いで行われているもののひとつのイベントとして位置づけられています。

そして、この日ライトアップの会場となった安並地区は「水車」と「紫陽花」で有名なところで、水車は「四ヶ村溝(しかむらみぞ)の水車」と呼ばれ歴史は古く江戸時代からの由来があり、現在は観光用に保存されているそうです(下の写真を参照)。

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この風景を3000本のロウソクを使ってライトアップして、夜の水車と紫陽花の風景をあじわおうという試みです。
ライトアップ当日、この日はかなりの悪天候。しかし、午後3時過ぎから地元の自治会のみなさんや小学生のみなさんが集まって、3000個のロウソクを設置するための準備をしていました。

主催者の「四万十かいどう推進協議会(事務局:中村商工会議所)」の方にお伺いすると、この安並地区でライトアップを行うのははじめてだそうで、このライトアップ設置作業は地元住民の有志のみなさんと一緒にやるということでして、ゆくゆくは地元の皆さんが主催ということでやるという方向性をもちながら事業をすすめているそうです。

で、気になる作業の様子をご紹介し、その後のライトアップされた風景をご覧ください。

ロウソク 砂 完成

ロウソクは100円ショップで購入したもの、ロウソクを入れる器はお酒を入れていた空き瓶を酒屋さんから無償で提供してもらったものということで、このイベントの最大の特徴はほとんど経費がかかっていないことです。それに3分の1くらいまで砂を入れて(真ん中の写真)、ロウソクを入れれば灯籠の完成(右の写真)です。この砂も無償提供だそうです。

それを道路沿いに並べてあとは日が落ちて点火すれば「プロムナード」の完成です。

点火

といいたいところだったのですが、ここからがこのイベントが大変でした。点火したらすぐに雨が降ってきて、ロウソクの火が消えてしまい、再度点火するという作業を何回か繰り返すというかなりたいへんな作業にもかかわらず、スタッフのみなさんの努力の甲斐もあり、すべてのロウソクとはいかないまでも訪れたみなさんもたいへん感動するような空間ができあがっていたようです。

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※デジカメの性能と撮影者の技術不足により雰囲気が十分に伝えきれないことをお詫び申し上げます。

さて、この取り組みの特徴は大きく二つだと思います。

ひとつは、前にも書きましたが「ライトアップ経費がほとんどかからない」ということがあげられます。ロウソクのほかにも懐中電灯も設置していましたがそれも100円ショップで購入ということで3000個のライトアップにかかる経費はほぼロウソク代のみということで、どこの地域でもできるイベントであることが大きな特徴でしょう。

そして、もうひとつは地域の人たちの参加できる仕組みがあるイベントであるということでしょうか。ロウソク設置の準備を子どもから高齢者まで地域の人たちが参加してロウソクを並べるという仕組みは、地域づくりにおける『公共性や協働性』といった点においてもかなり有効な取組であるといえます。

このイベントについてのお問い合わせは「四万十かいどう推進協議会」まで。関連HPはコチラです。

なお、この「街道灯籠祭り」に関するホームページはコチラです。うちの地域でも灯籠イベントをと考えておられる方は「四国風景づくりの会」にお問い合わせをしてみてはどうでしょうか?

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)