研究員ブログ

研究員の休日

先日、休暇を利用して宇和島市にある愛媛女子短期大学を訪問しました。訪問の目的は、愛媛女子短期大学と宇和島市遊子(ゆす)地区の有志のみなさんによる調理実習の見学です。

愛媛女子短期大学のHPはコチラ

愛媛女子短期大学では、「大学と地域の連携」ということで、遊子地区の代表的な産物である「養殖鯛」と「馬鈴薯」をつかった地創作料理のレシピづくりを栄養課程学科の授業として取り組んでおり、昨年度より学生さんたちがオリジナルの「遊子の名物料理」を考えてレシピ作りに取り組んでいます。

このほど、そのレシピの成果がある程度まとまったとの連絡が愛媛女子短期大学からあり、それを地元の人たちに調理方法を教える調理実習が行われるようになったわけです。

この日集まった地元の人は、NPO法人「段畑を守ろう会」の女性部と遊子漁協女性部の役員のみなさんで、調理実習では、実際にレシピを考えてくれた愛媛女子短期大学の学生さんが指導役となり、遊子地区のみなさんに「創作料理の作り方」を教えておられました。ただし、「鯛をさばくこと」だけは、さすがに遊子の人たちの方が一枚も二枚も上。逆に学生さんたちに捌き方を教えてあげるなど、相互学習による交流が出来ていたようです。

魚を捌いた図

※調理実習の様子(鯛をさばいてます)

この日の調理実習でつくった新メニューは、次の3種類です。

①鯛の春巻き

鯛の春巻き

※中身の具はにんじんとじゃがいも、鯛の切り身をごま油や豆板醤で炒めてます

②鯛のライスコロッケ

ライスコロッケ

※鯛のあら汁とごはん、および鯛の切り身を炒めて、それをふかし芋でくるんであげてます。

③鯛バーガー(タルタル味、竜田味)

鯛バーガー

※左がタルタル味、右が竜田味です。 

 

調理実習をしたのちに、さっそく試食会を実施したのですが、遊子地区の人に味についてもお聞きすると、すべてのメニューともに「おいしい」と好評で、特に「鯛の春巻き」が一番人気でした。「ビールのつまみに最高」とおっしゃられていた方も(※もちろんこの場では飲酒などしておりません)いました。調理に手間がかからずに家庭でも気軽にすぐ作れることができることが評価が高かった要因のようです。

試食のテーブル

※机に並べるとなんとも豪華な食卓

さて、このあとの取り組みの予定としては、この日の調理実習に参加した女性のみなさんが今度は先生役となり、地元の住民の人たちを対象に調理実習兼試食会を7月に実施し、8月7日に開催される「段畑夕涼み会」では愛媛女子短期大学の学生さんたちと共同で販売することも検討するそうで、ゆくゆくは「遊子の名物」として販売することにより多くの人たちに食べてもらうようにしていくとのことです。この中から「じゃこかつバーガー」のような「ご当地グルメ」がうまれるかもしれませんね。

また、以前から「学社融合」の推進について教育現場では声高に言われていますが、最近は「産官学連携」といった「大学と地域の連携」についてもクローズアップされてきています。

「産官学連携」といえば、大学や研究機関がもつノウハウや技術を行政や企業とが共同で活用しながら新しい産業を創出しようといった工業関係の「大規模なプロジェクト型の事業」をなんとなく思い浮かべがちですが、この愛媛女子短期大学のような地元に密着した取り組みもまた、「大学と地域の連携」におけるひとつのモデルケースと言えるのではないでしょうか。

なお、愛媛女子短期大学のブログにもこの調理実習の様子が紹介されています。

この取り組みについてのお問合せは、愛媛女子短期大学(0895-22-0156)まで。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)