去る7月3日(火)、4日(水)の2日間、総務省と(財)過疎地域問題調査会の共催による「交流居住研修会」が東京都千代田区の都市センターホテルで開催され、当センターから小方主任研究員と坂本が参加しました。
この研修会は、都市と田舎との地域間交流に関心のある自治体等の職員の研修と、情報交換を目的として開催されたもので、全国各地から約180名が出席しました。
※主催者挨拶 末宗徹郎 総務省過疎対策室長
基調講演① 「遠野市における交流・定住の取り組みについて」
全国第1号の認可を受けた「どぶろく特区」の取り組みを通じた交流人口の拡大、定住促進組織「で・くらす遠野」による、市民と行政が一体となった受入態勢構築の取り組みについてご説明をいただきました。
基調講演② 「新しい地域戦略と交流ビジネスモデルの研究」
ビジネスモデルの視点から見た移住・交流について、アメリカで人気のサマースクールを日本流にカスタマイズした”シニアサマーカレッジ”の事例をご説明いただきました。
サービス業として成立するには、一過性のイベントとして終わらせない、消費者をリピートさせる仕組みを構築することが大切であり、なぜ移住交流に取り組むのかという目的を明確化するために、共通言語としてのワンフレーズを持つことの重要性をご説明いただきました。
また、単なる国民運動だけでは移住交流を定着させることはできず、新しいビジネスモデルとして儲けるシステムを構築しなければ一過性の取り組みで終わってしまうとも述べられました。
※篠崎 宏 ㈱ツーリズム・マーケティング研究所主任研究員のご講演
この後、交流居住の取り組みについて、総務省過疎対策室、ポータルサイト「交流居住のススメ」運用について(財)日本交通公社からそれぞれ説明が行われました。
翌日4日(水)は小方主任研究員が①「体験ツアー・お試し暮らしの実施を通じた取組み」、坂本が② 「空き家を活用した交流促進の取組み」についての事例発表を拝聴しました。
タイトルは次のとおりです。
① 「たかが100人、されど100人の挑戦」
徳島県美波町 伊座利の未来を考える推進協議会
「交流居住推進プログラム事業の実践から」
山形県小国町 政策企画室
「白浜町日置川地域が進める交流居住」
和歌山県白浜町 日置川事務所地域振興課
② 「空き家活用による農山村滞在と定住の促進」
島根県江津市 農林商工課
「農村振興のための空家再生活用ネットワーク構想」
茨城県常陸太田市 里美ツーリズム探究会」
「山梨市定住促進事業」
山梨県山梨市 総合政策課
今回の出張では、移住交流をご担当されている各県担当者の方と意見交換の機会があり、それぞれの地理的条件等は異なるものの、愛媛県での移住促進を促進していくうえで参考となるお話が多々伺え、非常に有意な研修会でした。
※この研修会について詳しくお知りになりたい方は、小方または坂本までお問合せ下さい。
平河町にある研修会場(都市センターホテル)の近くには都道府県会館があり、愛媛県東京事務所打合せの後、同会館15階の北海道移住情報センター(入口付近のみですが)を撮影してきました。
また有楽町にある「ふるさと情報プラザ」へも立ち寄りました。
「田舎暮らし情報」コーナーには全国の移住情報パンフレットが所狭しと並べられていました。
この情報プラザの催事として、今月は”和テイストで涼を呼ぶ”をテーマに各自治体が特色あるPRを行っており、昨日は滋賀県高島市が出展中でした。
なお、来る7月23日(月)~27日(金)は愛媛県今治市「夏の肌、いたわりのタオル~いまばりタオルブティック~」と題して出展されますので、ご興味のある方は立ち寄られてみてはいかがでしょうか。
その後新橋へ移動し、愛媛県人としては外せないアンテナショップ「せとうち旬彩館」へも立ち寄り、2日間の東京出張を終えました。
終わりに写真をもう1枚。
羽田空港第2ターミナルに到着し発見したのは北海道中標津町の広告です。
目を引くキャッチコピー、シンプルながらも印象に残るもので、まさに研修会で学んだ”ワンフレーズの大切さ”を感じる一幕でした。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 坂本耕紀)