研究員ブログ

バイオ燃料セミナーに出席しました。

 平成19年7月11日~13日、パシフィコ横浜で開催された「Bio Fuels World 2007」バイオ燃料製造装置&材料展及びセミナーに出席しました。
 地球環境問題への関心の高さからか、バイオエタノール増産の影響で食品が値上がりするとの報道のためか、3日間ほとんど雨にもかかわらず、セミナー会場は満席で、立見が出るほどでした。

 セミナーは3日間、農林水産省、環境省の政策説明、バイオ燃料を取入れている自治体からの報告、研究者からの報告、バイオ燃料を製造している企業からの報告、石油業界、自動車業界からのバイオ燃料への対応報告等、目白押しの内容でした。

 私が聴講したのは以下の講演です。
11日AM.
国産バイオ燃料生産拡大政策:農林水産省
地球温暖化対策としてのエコ燃料拡大への取組み:環境省
11日PM.
バイオマスタウン最前線 :十勝地域、真庭市、東近江市
12日AM.
バイオ燃料開発および供給の課題:京都大学名誉教授 池上 詢氏 
石油業界のバイオマス燃料の導入に向けた取組みについて:石油連盟
先進資源小国におけるバイオ燃料の今後の展望
12日PM.
わが国におけるバイオエタノール最前線:㈱りゅうせき,アサヒビール㈱,月島機械㈱,日揮㈱,サッポロビール㈱
13日AM.
自動車業界のバイオ燃料への考え方:トヨタ自動車㈱,日産自動車㈱
 
 官庁の意向は、農林水産省の耕作放棄地対策等の農業政策としてのバイオ燃料製造への取組みと、環境省の地球温暖化対策、CO2削減対策等の環境政策としてのバイオ燃料製造への取組みをうまく組み合わせて、バイオ燃料の生産を拡大し、目標を達成するとともに、新しいビジネスモデルを生み出したい、とのことでした。
 
 バイオ燃料には、食糧との競合の問題、経済性の有無、生産・輸送に要するエネルギーを含めてトータルでCO2削減効果があるのか、バイオ燃料用作物の生産拡大が環境破壊につながるのではないか、等いろいろ解決しなければならない問題があります。

 その取組みについても、各省庁、各自治体、各業界、温度差もあり、同床異夢のようにも感じられましたが、地球温暖化対策の一部として、省エネ等他の手段とバランスをとりながら、進めて行かねばならないと言う点では一致していたようでした。

(文責 企画研究部門 研究員 政木輝彦)