研究員ブログ

フードマイレージ

先日、新聞を見ていると、地産地消の関連記事に「フードマイレージ」なる言葉をはじめて目にした。

もともとはイギリスの消費者運動家ティム・ラング氏が提唱したものらしく、基本的には「食料品は地産地消がのぞましい」という考え方にもとづいたものである。

この言葉、直訳すると「food=食べ物」「mileage=輸送距離」ということだが、農林水産省の関連HPで調べてみたところ、このフードマイレージは「輸入食料の量×輸入にかかる移動距離」という計算式で算出されるようで、フードマイレージが大きければ大きいほど食糧自給率などが低く、食べ物に対して「贅」をつくしているといえそうだ。

また、そこには各国のフードマイレージの2001年のデータが紹介されているのだが、それを見てみると「日本のフードマイレージは、2位の韓国の約3倍の差をつけるほどのぶっちぎりの世界一である」ことが載っていた。

この調査結果は日本の食料自給率が低い(約40%)のが原因だと思われるが、この値が高いということはそれだけ膨大な食料を日本に運ぶためのエネルギーを消費しているともいえ、環境に負荷をかけているともいえるようだ。

「地産地消」の魅力には、新鮮、安全、自国の産業保護などがあるが、「環境に優しい」ということもその一つの魅力なのだろう。

消費者の側として、スーパーなどで食料品を購入する際に、どうしても価格だけを気にしてしまいがちだが、ちょっと立ち止まって「地産地消」についても意識してみようと思った次第である。

通常のマイレージはためるとさまざまなサービスの恩恵を受けることが出来るが、このマイレージはなるべくためないようにしたいものだ。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)