研究員ブログ

クラス会にふるさと学習を!

平成19年8月19日(日)付の愛媛新聞の読者投稿欄に、大阪府の60代の男性が「宇和島でクラス会を開催したときに、ふるさとの歴史を学習する講座をあわせて実施して、参加者に大変有意義なクラス会となった」という内容の興味深い投稿が掲載されていた。

これについて、宇和島市の対応をした職員に話を伺うと、以下のような経緯で講座を実施したそうだ。

・平成18年3月に先方から電話で学習の機会の提供の相談があり、市教委文化課が対応

・依頼者と応対担当者が電話等でやりとりをしながら講座の中身について協議

・依頼者は講座の会場となっている場所の下見や講座内容の協議に3度帰郷

・応対担当者は講義のレジュメを作成し、クラス会案内通知文書に同封してもらうようにした

・宇和島祭り(平成18年7月)にあわせてクラス会を開催し、約20名が1テーマ1時間の3テーマの講義を受講

・講座会場には宇和島市立歴史資料館(明治17年建築)の一室を使用し、郷愁を誘う学習会場だったこともあり参加者にはたいへん好評だった

・参加者の中には次のクラス会のときは歴史以外に宇和島の産業についても学習したいという要望もあがっている

さて、このような団塊の世代を含めた年配層が帰省した際に、せっかくふるさとに帰るのだからあわせて「ふるさとについて学習をしておこう」といったような「学習ニーズ」が実際にはどの程度あるかどうかはわからないが、団塊の世代の移住促進をも視野に入れた「帰省時のふるさと学習講座」は、意外に観光や生涯学習のメニューの1つとしては成立するかもしれないと思ったりもした。

なお、この取り組みのお問合せ先は宇和島市立歴史資料館(0895-23-2400)まで。

<豆情報>
宇和島市立歴史資料館は明治17年に宇和島警察署として建築され、のちに旧西海町役場として使われた時期もあり、平成4年に宇和島市住吉町に移築され、現在に至る。なお、建物自体が国の登録文化財にもなっており(愛媛県で最初の登録文化財)、現在は、常設展示のほかに高畠華宵大正ロマン館(東温市)と提携して館内で企画展示を実施している。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)