研究員ブログ

段畑の背中

先日、「地域づくり人養成講座」の仕事で宇和島市遊子の水荷浦段畑に行った。よく考えると水荷浦の段畑に来るのは二年ぶりだが、今年は、全国で三例目という重要文化的景観に指定され注目を集めている。しかし、いつ見ても凄いの一言である。

昔の人達が建てたものや作ったものを見ると、人の力は凄いなぁとつくづく感心する。高度な科学力に基づく現代技術でもってしても修復や復元ができないものが多い。

民俗学者の宮本常一さんが、周防大島から対馬に移住した漁民達が港を築いた話を書かれていたのを読んだことがある。石を1つずつ海に入れては流され、ま た1つずつ海に入れて・・・という繰り返しで防波堤をつくり港を築いたという話である。この対馬の港づくりといい、遊子の水荷浦段畑といい、昔の人は経験 と繰り返しで不可能を可能にしてきたんだと思ったりもする。

その遊子で、先人が残した段畑を活かそうという人達と出会った。「NPO法人 段畑を守ろう会」の人達である。

講座では、副理事長さんである松田鎮昭さんから段畑にまつわる熱い想いを聞き、山内満子さんをはじ め女性部の皆さんの手づくりの段畑料理をいただいた。これらの料理はすべて地元で採れた物で手づくり、鯛バーガーなどの創作ものもあり、バラエティ ーに富みこれは作り込むといける。

段畑の背中

最後に、 松田副理事長さんの背中をご覧あれ!

「私の故郷には段畑があります」と書かれ、馬鈴薯と段畑と空のコントラストが印象的。「ボクの村には”ごっくん”がある」という馬路村風のこのキャッチコピーがなかなか良く、聞くと農協がつくったらしいが、なかなかやるなぁ。

やっぱり男は背中ですねぇ~。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 清水和繁)