研究員ブログ

ベンチャービジネスと市場

現在、毎週水曜日に朝日新聞の地方版で連載されている「若者よ、ベンチャーを目指せ」。これは松山大学経済学部が朝日新聞松山総局と連携して実施している市民開放講座の様子を紹介している記事です。

筆者もこの講座に何回か参加しているのですが、10月10日に行われた講座では私の大学の先輩が講師ということもあり、それはやはり行っておかなければならないだろうと勝手に思う(笑)とともに、前回講座に参加してから学生さんがどれくらいビジネスプランを練り上げているのかも気になりましたので出席してみました。

今回の講師は、パエッセ合同会社の代表をされている佐俣一志さん。起業したばかりや会社を興してあまり期間が経過していない若い会社を中心としたビジネス支援をおもにされており、現在は株式会社アドメテックという愛媛大学発の医療関係のベンチャー企業でビジネス支援担当の業務統括部長をされています。

今回の講義では、「ビジネスコンセプトとは何か?」ということで学生さんたちに講義がありました。

講義では、ビジネスのメカニズムとして以下の流れがあると述べられていました。あわせてハイブリッドカーで例をあげています。

①観察、気づき
 ↓(例)排気ガスが環境に悪い
②事業アイディア
 ↓(例)電気自動車にすれば排気ガスがでない
③ビジネスコンセプト構築
 ↓(例)環境に優しい車に乗ろう
④ビジネスプラン策定
 ↓(例)どういう工程で車をつくるか、誰がつくるか。価格は?
⑤ビジネスの実行
 ↓(例)ハイブリッドカーの販売
⑥収穫
 ↓(例)売上
ふたたび収穫の反省を生かして②~⑤にもどる

佐俣さんは、「ビジネスは、社会的にある問題点(たとえば不便さとか)を源泉としてあり、それをアイディアをもって克服、解決して儲けるということであるが、それを広く人にわかりやすく伝えるための作業が必要になってくる。その人に伝えるための作業そのものこそがビジネスコンセプトである」と述べられていました。

受講した学生さんたちも、ベンチャービジネスというものを通して、こういう物事の奥にあるものを探るという作業(=仕事の哲学とでもいうのでしょうか?)を行うことはたいへん重要だと思います。

筆者も行政職員ですので、自分たちが今担当している仕事をどうして今やる必要があるのか。その業務の裏にはどういう背景があるのかということをしっかりと理解したうえで業務にあたりたいものだなあと思った次第です。

いずれにせよ、学生さんたちが練り上げたビジネスプランが年度末にどのような形になるのか、今から楽しみです。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)