研究員ブログ

成人式と会社説明会が合体!?

平成20年1月7日(月)付の愛媛新聞に、長野県小諸市で、地元の企業が地盤産業を知ってもらうとともに若者の人材確保のために「会社説明会」と「成人式」をセットで行うというユニークな記事が掲載されていました。

例年、「荒れた成人式」といわれて全国各地で新成人の荒れた行動が指摘されている昨今、行政担当者としても成人式のあり方については頭を悩ませているところが多いと思いますが、よくよく考えてみると「成人式」というのは黙っていても若い人があつまる一年に一回の行事ですから、そんな若い人が確実に集まる場をPRに使わない手はないということでしょうか。

しかも、主催者側にしてみたら、企業から「協賛金」という名のブース料もとれて成人式の経費も大幅に削減できるというのですから、行政コスト的にも大助かりです。

また、新成人の側からしてみても、「地元で働きたいけど、働き口がない」と諦めている若者に対して、地元企業、地場産業のことを知ることがきっかけができますし、場合によれば若い人の雇用につながる可能性もあります。

成人式が荒れてきたということで、松山市のように地域密着ということで大きなホールではなくて小学校区や中学校校区単位での同窓会形式の成人式を行うところが増えてきているようですが、小諸市の場合は新成人が400人ほどということもあり、新成人を出身の小中学校区ごとにテーブルにわけての立食パーティーの同窓会形式にし、それに加えて企業や地場産業のPRをするブースも設置して、その引き換えに企業から協賛金をもらって経費を賄うというスタイルを採用しています。

松山市くらいの50万都市で大学も複数あるようなところだと、「成人式+会社説明会」という形を実施してもなんとなくうまくいきそうなイメージももつことができますが、どうして人口わずか45000人の地方の小都市である小諸市で実施できたのかといえば、それは小諸市の有効求人倍率が1.15(平成19年11月末現在)と雇用情勢の良好な地域であり、若者を雇用する場が現実にあるということも要因のひとつとしてあげられるかもしれません。

ということは、愛媛県でも雇用情勢が比較的良好な東予地方であれば、「会社説明会」をセットにして実施するという「成人式」のスタイルはけっこううまくいくのではないか、と浅はかながら思ったわけなんですが、みなさんどうお考えですか?

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)