研究員ブログ

松山大学地域調査報告会

12日(土)に松山大学で行われた松山大学地域調査報告会に参加してきました。

これは、松山大学の田村譲先生のゼミ生が、学習の一環として「県内の観光素材の再構築」をテーマに、おもに南予地方の偉人にスポットを当てて調査を行い、学生さんたちによる南予観光ルートを発表するという性格のもので、1月10日付の朝日新聞の地方欄を拝見していると「一般見学も可」という記事を見つけましたので報告会に参加いたしました。

この日、学生さんたちが発表した観光ルートは、以下の3つです。

1.宇和島コース

潮風香るまちの探索という副題で、宇和島の歴史や偉人を学習することのできる「歴史文化コース」の設定で、1日かけて自転車や徒歩で巡るコースとなっており、おもな観光地として、宇和島城、大和田建樹、伊達家関連、児島惟謙、穂積兄弟、和霊神社、市営闘牛場、芭蕉句碑などを巡ります。途中、昼食は「穂積橋」付近にある「ほづみ亭」などを紹介されていました。

2.藤堂高虎コース

築城の名手といわれた藤堂高虎の足跡をたどるドライブコースで、宇和島城から大洲城、そして今治城という愛媛県内の3つのお城を中心に高虎ゆかりのところを巡るコース設定です。

3.原風景コース

これは南予の美しい風景を訪れるというドライブコースで、出発点を松山市とし、愛南町の外泊地区にある石垣の里や、高茂岬、遊子の段畑、伊吹八幡神社の巨木「いぶき」、伊方町のメロディーライン、伊予市双海町を1日かけて巡るというコース設定となっており、あわせて内子町の町並みをオプション地として設定していました。

ちなみに、このすべてのコース紹介のプレゼン途中途中には、「なぜ今治城の天守がないのか(答:高虎が移築したから)」といった質問を会場のほかの学生に投げかけるといったクイズコーナーなどが設けられ、参加者を飽きさせない工夫を凝らしたプレゼンをしてくれました。

さて、参加してみての感想ですが、この発表会のテーマが「観光素材の再構築」とあるように、いわゆる既存の観光素材を利用して、学生さんたちが独自で調査してルートの設定を行っていますので、特段目新しい観光素材が学生さんたちによって発掘されたわけではありません。

ただ、ゼミ発表会の発表者の意見にもありましたように、「愛媛の観光地は松山中心のイメージがあるのではないか」という課題設定は、まさしくそのとおりであると個人的には思われますし、松山大学の学生には県外からやってきた学生もおり、そういう学生は南予に行ったことどころか、南予のことを全く知らない人もいるわけで、そういった学生に対して南予の観光素材について知ってもらうという情報発信ができたという意味においては、たいへん意義深い発表会だったように思います。

ちなみにその観光ルートなどについては、田村先生のHPに掲載されていますし、当日のパワーポイント資料なども掲載されていますので、ぜひご覧ください。

なお、この観光ルートの発表会のあとに、第2部として松山市が公募した「第9回学生による政策論文」の発表会も行われ、最優秀賞と優秀賞を受賞した学生さんの発表を聞きました。その様子については後日のこの研究員ブログでご紹介いたしたいと思います。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)