研究員ブログ

舞たうんvol.95「少子化時代の地域づくり」

 表紙

舞たうん95号を発行しました。
今回の特集テーマは「少子化時代の地域づくり」です。

以下、舞たうん95号に掲載した「巻頭の言葉」「編集後記」をご紹介させていただきます。ご意見、ご感想がありましたらセンターまでお寄せください。なお、舞たうん95号は当センターのHP上でも見ることが出来ます。

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※巻頭の言葉より 

「地域づくり」という言葉の意味を色々調べてみた。その中で、当センターがお世話になっている早稲田大学宮口教授の「地域づくりとは、時代にふさわしい地域の価値を内発的につくり出し、地域に上乗せする作業であり、地域づくりには終わりがない。」という言葉が印象に残っている。

私なりに解釈したのは、「地域づくり」とは、突き詰めれば、今、自分たちが生活している地域を、より良い形で次の世代に継承していく活動ではないのだろうか。

しかしながら、現状は、県内の多くの地域で、少子化・過疎化の影響もあり、継承するべき次の世代がいなくなっている。

また、少子化や財政面から、学校統廃合の問題がクローズアップされているが、地域交流の場でもある学校がなくなると、人が集まる機会も減り、活気もなくなってくる。

地域が持続的に発展し、活性化するためには、子どもが必要になる。子どもを産み、子育てをしやすい環境をつくるには、行政のみならず、地域ぐるみの支援が必要なのではないだろうか。

子どもの声が響く地域は、明るい未来を感じさせてくれる。

 

※編集後記より

日本の各地で、高齢化が急速に進んでいる。実はその裏側には少子化があり、根底に若者の結婚問題があって、それが子どもの減少につながっている。

07年版少子化社会白書によれば、未婚者の9割は結婚を望み、平均2人以上の子どもを希望している。また、厚生労働省が公表した「21世紀成年者縦断調査」では、正規雇用の男性の結婚率は、アルバイトなど非正規雇用の男性に比べ2.4倍に上り、雇用形態で差が生じていることや、夫の育児参加や、職場に育児休業制度がある夫婦ほど、子どもが生まれていることも判明した。

結婚や出産は、一人ひとりの選択。国も自治体も借金苦の中で、お金をどうひねり出し、各層の意識改革を促すか。知恵と工夫の見せどころである。仕事上の立場、ご自身の問題として、少子化を考えていただきたい。

(文責 まちづくり活動部門 主任研究員 小方 悟)