研究員ブログ

海の恋人まつり

今日の研究員ブログは宇和島市より依頼されましたので「イベント告知」です。

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いわずもがなですが、宇和島を含めて宇和海は世界に誇る真珠の生産地です。残念ながら最近はアコヤ貝の大量斃死という問題もあったりするなど、真珠養殖産業の景気は芳しくないのが現状のようです。

しかしながら、最近では、経営者のみなさんの努力により少しずつ盛り返しつつある兆しも見え始めているようで、変形した真珠、いわゆる「バロック真珠」なども注目されて一部の間で人気がでてきているそうです。

そんな真珠の町「宇和島」の海の魅力を再発見してみませんかというのが、今回のイベント趣旨のようです。

このイベントは、「食」「装」「新」「買」「観」の5つの文字のキーワードを中心としたイベント構成になっていますので、それぞれご紹介しましょう。

食・・・海の食まつり
 →パールをイメージしたオリジナルメニュー販売
 2月16日(土)・2月17日(日) 10:00~ うわじまきさいやロード・中心市街地

装・・・パールファッションショー
 →真珠のおしゃれな身に着け方の提案
 2月16日(土)13:00開場 13:30開演 南予文化会館大ホール

新・・・パールデザインコンテスト
 →新しい発想によって生み出されるパールの無限の可能性
 2月16日(土)13:00開場 13:30開演 南予文化会館大ホール

買・・・パール展示・販売会
 →世界に誇る宇和島産真珠をあなたの手に
 2月16日(土)・2月17日(日) 10:00~18:00 南予文化会館内 産業振興センター

観・・・まちかどギャラリー
 →パールデザインコンテストのデザイン画を展示します。
 2月16日(土)~23日(土) 宇和島商店街(きさいやロード)

真珠に興味のある方、海に興味のある方、ぜひ参加してみてはどうでしょうか?
あと、前、研究員ブログでご紹介した宇和島の牛鬼のキャラクター「もーに」(宇和島市出身のイラストレーターのカナヘイさんがデザインした)のイラストが入ったネクタイが、この「海の恋人まつり」で販売を開始されるそうですので、宇和島ファン、牛鬼ファンならず、カナヘイさんのファンのみなさん、ぜひ宇和島で「パールもーにネクタイ(1本5000円)」を買おう! ちなみに、このネクタイを手に入れた方は「無敵」だそうです(笑)。その理由は、牛鬼が魔よけの意味があるから!だそうです・・・。

詳しくは宇和島市のHPまで。
なお、ANAではこの「海の恋人祭り」にあわせてモニターツアーを実施しておりますので、遠方の方もぜひ宇和島までお越しください。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)

学生の政策論文

先日、研究員ブログで紹介した松山大学の田村ゼミによる「地域調査報告会」では、南予の観光素材をテーマにしたゼミ発表のほか、松山市が募集していた学生による政策論文で受賞した学生さんによるプレゼンもありました。

この日、プレゼンを行ったのは、最優秀賞を受賞した松山大学法学部2回生の後藤さんと優秀賞を受賞した松山大学法学部田村ゼミの観光調査班のみなさんです。

後藤さんは、 「プラス一枚の工夫」=大人も使える子ども用パンフレット~施設をもっと活用しよう~というタイトルで、博物館や美術館などの文化教育施設を観覧する際に、クイズなどを取り入れながら楽しみながら施設めぐりができるパンフレットをあわせて配付したらどうかという提案がありました。

後藤さんが独自にアンケート調査を実施したところ、観光地へ行くときに事前に目的地の情報を収集したり学習をしていく人の割合(約57%)はまだしも、観光地の博物館や美術館を訪問する前に事前に勉強する人の割合(約16%)はとりわけ低いという結果から、あまり事前学習をせずに観光地を訪問している人が多いという実態を浮き上がらせました。

そこで、既存のパンフレットにあわせて、子どもが楽しめるようなクイズ形式の施設案内パンフレットを採用するなど、学習機能を高める補助教材をセットにして配付することで、来館者にその施設を含めた観光地への興味や関心を高めることが可能となり、そのクイズの内容も難易度を初級から上級まで用意するなどすれば、リピーターも期待できるのではないかという指摘をされていました。

この後藤さんの提案は、もともとは大阪城のパンフレットを見て思いついたそうで、これは平たくいうと文化施設内をまわるときに観光客にもクイズラリーのようなものをしてもらって理解度を高めてもらおうという発想だと思われますが、似たような事例として、すでにこの研究員ブログでもご紹介しておりますように、たとえば砥部動物園では、単発イベントとして携帯電話のQRコードを利用したモバイルクイズラリーを携帯電話会社との協働事業ですでに実施しており、ひとつの事務改善として傾聴する価値がある提案ではないでしょうか。

これは個人的な意見ですが、かりに私が観光・文化セクションの企画担当者でしたら、施設案内でもそうですが、もうひとつ応用して『御当地検定』とセットにしてフィールドワークに使うことを検討したいです。

観光客が実際に1日かけて観光地めぐりをしながら、その観光地に書かれてある観光案内板などから情報収集を行い、渡されたワークシートに回答を記述して採点してもらう。そして合格したら記念品(認定証)がもらえるというスタイルです。その問題も初級から上級までを用意することでリピーターや当該地住民にも対応できます。

また、観光客は1日かけて観光地めぐりとあわせて御当地検定を受験するわけですから、途中、休憩や昼食をとる必要があります。その場所すらも試験問題に含めることにして、当該店舗から事業収入を得ることができれば、事業経費的にも助かるのではないかなと思われます。

とまあ、最後は少し私の個人的な提案をいたしましたが、いずれにしても、この後藤さんの提案は実現の可能性が比較的高い提案として評価できるのではないかと思われますがどうでしょうか。

次に、優秀賞を受賞した松山大学田村ゼミ観光班の提案は、「石碑を観光資源として」と題して松山市内にあるさまざまな石碑を観光資源に利用したらどうかという提案です。

これは松山市内に限らずどこの自治体にも事業に関する記念碑や、地域の偉人を顕彰する頌徳碑など、数多くの石碑が設置されており、田村ゼミ観光班の提案はそういった石碑をもう一度見直そうというものでした。

普段に自分たちの身近なところに石碑がたてられているが、なぜそこにあるのかといった設置意義などを知らないままにすごしてはいないか、また石碑自体も風化して文字が読みにくくなっているところもあり、石碑の保存も含めて下の世代に伝えにくくなってしまっているのではないか、そういう課題認識があったようです。

その課題解決の手段として、単に石碑がぽんとおかれているだけではなくて、観光施策のひとつとして石碑の保存も含めて碑文の説明などを記した掲示板の設置などを行うことが提案されていました。

どちらの提案も、学生さんなりの発想ででてきたたいへんユニークなものであり、一生懸命自分たちの論を組み立てようと努力している姿がうかがえました。

私自身としては学生時代にはあまり地域というものに興味や関心がなかったので、こんな若い人たちが地域に興味や関心をもっていて勉強しているのはたいへんすばらしいなあと、感心しきりの時間を過ごさせていただきました。そんな学生さんたちの熱意に感謝、感謝です。

ちなみにこの学生さんたちの発表原稿や資料などは田村ゼミのHPで見ることが出来ます(観光班のページにあります)ので参考までにご覧ください。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)

愛媛大会PRリーフレットただいま配信中!

1月19日(土)、えひめ地域づくり研究会議主催のフォーラムが開催されました。このフォーラムは11月14日・15日に開催されます「第26回地域づくり団体全国研修交流会愛媛大会」のプレイベントと位置づけ、実行委員会に参画していただいている分科会運営団体が日ごろ行っている活動について、それぞれがお互いの活動を知り、そしてあわせて意見交換や交流を深めて来たる茨城大会での積極的なPRと、そして本番である愛媛大会にのぞもうという趣旨で開催されました。

さて、このフォーラムでも配付しました「愛媛大会PRリーフレット」がこのほど完成いたしましたので、現在、愛媛大会実行委員会のホームページ内で配信しております。

このリーフレットは、来る2月1日・2日に開催される茨城大会の参加者のみなさんに配布するものです。分科会を運営される団体のみなさんをはじめとして、関係者のみなさん、実行委員会ホームページよりリーフレットをダウンロードしていただいて、イベント時による広報活動などにどしどしご利用ください。

なお、このリーフレットの著作権は愛媛大会実行委員会に帰属しておりますので、転載等をされます場合は事前に愛媛大会実行委員会事務局までお問い合わせください。

実行委員会HPはコチラ↓

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(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)

脱「お任せ」

愛媛新聞(1月20日版)の道標欄が目にとまった。西条市出身の國田博史さんという方が「NPO法10年」と題して書かれた文章である。

”阪神・淡路大震災の支援ボランティアの活躍を契機に特定非営利活動促進法(NPO法)が成立した。いままでは公共サービスは行政の仕事であったが 社会は様変わりし、行政に任せて安穏としているだけでは、幸せが保証されない時代になった。そこで必要なのは「自分たちでできることは自分たちでやる」と いう姿勢である。「お任せ」とは対極にある自助・共助の精神が、今こそ求められている。”という内容であった。

このところ母の葬儀や田舎の組内の 葬式事で、ずっと田舎に関わり続けている。皆が言うには、ミカンの価格が安くて伊予柑などは先も見えないという。確かに、今年のミカンは極早生の滞果が早 生・中生ミカンまで影響し、これが伊予柑以降の中・晩生品種に影響するのは必至である。ただ、この現状は他人任せで、じっと成り行きを見て いるだけでは、もう解決しない所まで来ている。

柑橘はいろいろな品種が百果繚乱の状態である。「品種や技術よりも仕組みづくりが大切である」というのは私の持論である。
農業などの一次産業など田舎に関わりのあるものは、脱「お任せ」でなければ再生しない。

(文責:まちづくり活動部門 研究員 清水和繁)

あれから13年・・・

昨日は1月17日。1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から13年が経ちました。個人的なことで恐縮ですが、この阪神・淡路大震災の直後に、大学入学のために神戸に移り住んだ私としては学生生活4年間が震災復興の歩みとともに過ごしましたので、あれから13年も経ったのかと思うとなんだか感慨深くなります。

私が大学に入学した当初、JR神戸線しか阪神間には電車が開通しておらず、その電車に揺られてみる神戸の風景は、屋根にブルーシートばかりがかけられている風景で、多くの被災者が公園や学校などで避難所生活を送っていました。

そんな入学間もないとき、一度だけ炊き出しのお手伝いに近くの小学校に行ったことがあります。ボランティアということではないですが、何かできることがあればと思い、子どもたちの遊び相手になりました。そこには、多くの市民ボランティアが組織され、被災者支援のために集まっておられました。

現在、全国各地でまちづくり活動の一翼をになっている「NPO(Non Profit Organization)」という組織が日本国内で誕生したのは、この阪神・淡路大震災による被災者救援のために多くの市民ボランティアが結成されたことが契機となったといわれており、阪神大震災の3年後にはNPO法人のための支援法(特定非営利活動法人支援法)が議員立法により制定され、市民活動団体が法人化できるなど、まちづくりを取り巻く状況がかわるきっかけともなりました。

また、大学2回生の夏、各家庭に広報紙を配る短期アルバイトをしていたときに、仮設住宅にも広報紙を配っていたのですが、そのアルバイトをした一週間後のテレビのニュースで、私が配ったエリア付近の仮設住宅で独居老人の孤独死が発見されたというニュースがテレビで流されていました。

そのときは単に驚いただけでしたが、社会人となりふたたび淡路島の被災地を訪れた際に、神戸の中心部と淡路島のそことは人的被害に大きく差がでており、そこには「地域コミュニティ力の差」という問題があったのだということを知ったとき、大学時代には気づけなかったニュースに込められている本当の意味を知りました。

現在では、阪神・淡路大震災の教訓を生かして「地域防災力」を高める必要性が大きく問われるようになり、それが中越地震といったその後の大規模な地震災害に生かされたという事例もあります。

そして、大学3回生のときにアルバイトでやっていた家庭教師先の当時中学1年生の男の子は、毎年1月17日だけはどうしても怖くて夜も眠ることができないと話し、震災が幼い子どもにも大きな爪あとを残していることを痛感させられました。

ちなみに、子どもたちの心のケアをする「スクールカウンセラー」が学校に設置されはじめたのは、阪神・淡路大震災直後の平成7年度からです。

あれから13年・・・。今から思えば「阪神・淡路大震災」を契機に世の中が大きくかわった事例が多いように思います。まあ、結果論なのかもしれませんが。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)