研究員ブログ

キュウリ高騰を考える

キュウリが高騰した。節分に食べると縁起が良いという「恵方巻き」需要と産地の天候不順で極端な品薄になったためである。この「恵方巻き」は、東 予地方 の風習であったもの。その風習に「消費が低迷する時期の1~2月の販売イベント」企画として、コンビニが目を付け全国に広がった。コンビニなど小売各社が 年々売り込みをかけ、恵方巻きに不可欠のキュウリはこの時期の需要が強い。ただ、この「恵方巻き」も自宅で作る人は少なく、コンビニやスーパーの総菜売り 場 で買う人がほとんどだという。
言わば仕組まれたものであり、流行とはそういうものである。戦後の牛乳やパンなどによる食生活改善、近くはバレンタインのチョコレート。最近、問題になっている中国の冷凍ギョウザなどは、あまりにも食が分業化した結果である。
高度経済成長期を境に、都会と田舎、生産者と消費者が完全に分かれ、それまでに存在した中間領域がなくなった。今、マスコミが騒いでいる自給率の問題などは、当然の結末であり、度を超えた無関心さを露呈しているだけにすぎない。
人間の源である食べるということを「他人任せ」にし、なにか問題があると「責任転嫁」することを改めなければならない。安全で安心なものを食べたかったら、自らつくることであり、自分でつくったものを食べるということは、今や最高の贅沢である。
食べて生きることは自己責任が基本である。

(文責:まちづくり活動部門 研究員 清水和繁)