研究員ブログ

研究員の休日

最近、さまざまな地域づくりの取材をしていて、「島」と言うところはかなりユニークなことができるということがわかりました。とかく「島流し」といったマイナス面が多い離島ですが、地域づくりの先進地でがんばっている方から、「島はひとつの地方自治体の個性である」と述べる方がおられて、最近では島の魅力にとりつかれつつある私でもあります。

さて、休日を利用して上島町弓削地区を訪問しました。
今回、弓削島を訪問したのは、熊本県水俣市から地元学で有名な吉本さんがおいでになられて、子どもたちといっしょに島巡りをして地元学をおこなうということでしたので、それは行っておかなければと出向元の市役所の後輩も誘って参加してきました。

岡崎直司さんがよくやられている「まちあるきウォッチング」については、以前公民館主事のときに資料をもっていたのでいささかの心得がありますが、地元学を実際に体験したことがなかったのでたいへん楽しみにしておりました。

ウォッチングと地元学の違いは、そこに住んでいる人も地域資源ということで取材することです。まちのいろんな人たちに話かけることによって、インタビューを受ける側とインタビューする側との交流を図りつつ、その人が話す言葉の裏にあるもの、生活の営み、そういったものをも掘り起こして整理する作業を行います。例えるなら宮本常一的な、いわゆる民俗学的なアプローチなのでしょうか。

今回の学習では、午前中は子どもたちが「人に聞き取り班」「島あるき班」「郷土料理調査班」といった、いくつかの班にわかれて取材をすることになったので、島あるきの班に同行しようと思っていたのですが、ほかの班の取材の様子なども見ていたために子どもたちといきなりはぐれてしまったので、まずは勝手に弓削島のウォッチングをしてしまいました(笑)

というわけで、今回のウォッチングは屋根瓦と鏝絵などです。この弓削地区はさまざまな飾り瓦や鏝絵がありましたのでご紹介します。こうやってウォッチングすると普段の風景に飛び込むものがおもしろく見えてきますね。

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※七福神の飾り瓦です。何軒かありました。

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※田の文字は屋号でしょうか?

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※この地区で一番多かったの飾り瓦は「鶴」のようです。

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※このマークは・・・忘れました。岡崎さん、教えてください。

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※亀もありました。こちらは寿のお皿をもっています。

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※こちらの亀はお皿をもっていません。

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※鏝絵も立派です。

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※こちらはお寺にあった「鳩」です。

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※同じくお寺にあった「獅子」

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※これまた鏝絵です。

このほかにもたくさん面白いものがあったのですが、これ以上紹介してもダラダラと長くなるのでこのへんにしておきます。
ちなみに、歩き目デス、足ラテスの岡崎直司さんが、旧弓削町時代に町歩きの調査をしていて、平成13年度に弓削島のマップを作成していました。さすがです。村上律子さんにお聞きすると、たいへん人気だったのでもう残部はないそうでして、現存するマップを写真にとらせていただきました。

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上島町での地元学の様子は次の「研究員ブログ」でご紹介したいと思いますのでお楽しみに。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)