四万十ドラマという株式会社が高知県四万十町にあります。これは旧窪川町、旧大正町、旧十和村の3町村が出資してできた第3セクターで、14年前に設立されました。
この四万十ドラマという会社、地域づくりの現場でかなり有名なところで、特に地域の特産品をヒット商品にした畦地履正さんはその筋では有名な方です。
もともと、私自身はセンターに来るまで恥ずかしながら全く知らなかったのですが、センターの雑誌ECPRを拝見して、四万十ドラマという会社があること、そこに畦地さんという方がいることをはじめて知りました。
双海町の若松進一さんは夕日というブランドを確立するためにストーリーをつくりましたが、この畦地さんは四万十川というブランドをうまく活かすためにそこにストーリー(ドラマ)を用意したということでしょうか。
最初はアユ・川エビなど地元のいわゆる代表的な産物に「四万十」というブランド名を付けて売り出したそうですが、そう簡単にはうまくいかなかったそうです。
そこで畦地さんは、四万十ならではの商品開発のヒントをつかもうと地域の生産者を訪ねて回り、まずは話を聞くことにしたそうで、その中で地域にはいろいろなオンリーワンの技能をもつ人(たとえば川漁師など)がいることに気が付いたそうです。
そして、畦地さんはモノではなく、ヒトに注目して、そんなオンリーワンの人たちと組んで何かできないかなと考えたそうで、最初に生まれたのは地元の木工職人と組んでできた「四万十のヒノキで作る小さな板」でした。
これは香りを楽しむ商品でしたが、全国各地にこのようなものはあり、どのようによそにはない「付加価値」をつけていくか、そこに畦地さんは苦心して、昔ながらの焼き印やヒノキの油で浸すなどの商品改良を行うとともに、販売方法もどうしたらよいのかがわからないので、まずは「四万十川のファンクラブ」の会員を全国から募り、会費をとって情報誌やさまざまなイベントに参加できる仕組みをつくりあげ、その会員さんに新商品を会報の付録としてつけたそうです。
そうすると、企業の販促用のプレゼントや結婚式の引き出物につかえるという反応がかえってきて、それをヒントに銀行や自動車販売会社に売り込みをかけると、順調に売り上げを伸ばして大ヒット商品となったとのこと。
そのほか数多くのヒット商品を飛ばしている四万十ドラマ。2月21日付の日経新聞には高知県産業振興センターが2007年度地場産業大賞を受賞したとの記事もあり、これは見ておかなければと思い、休日を利用して四万十ドラマが管理運営している道の駅「四万十とおわ」を休日を利用して訪問してきました。
昨年の7月にできたそうです
外観の様子。建物は県産材をつかってます。
店内の様子。さまざまな特産品が並んでました。
しまんとバーガーなるご当地バーガーもありました。
じつはこの地方はお茶どころです(写真は緑茶のアイス)
道の駅の裏は美しい川の風景を眺めることができます。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)