研究員ブログ

佐伯に行ってきました

前回の研究員ブログの続きです。臼杵市で町並みなどの視察研修を行った後、大分県佐伯市を訪問いたしました。

ちなみに、佐伯市は「さいきし」と読みます。みなさん、「さえき」ではないそうですのでお気を付けください。 って、こんなことを書いたら私が勘違いしていたことがバレバレですね。

佐伯市に到着いたしましたのが夕方でしたので、佐伯市教育委員会の教育委員長をされている宮明邦夫さんのご好意により、まちづくり関係のみなさんと親睦会を行いました。

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懇親会の様子

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立派な舟盛り!豪華です。

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余興で手品も登場しました。みなさん芸達者です。

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それで、親睦会で勢いがついて佐伯市役所の方の行きつけのお店へ全員で移動。ここで登場いたしましたのが、佐伯市が誇るB級グルメ「ごまだしうどん」。

この「ごまだしうどん」の「ごまだし」とは、 焼いたエソ類などの魚の身、胡麻、醤油等を混ぜ、擂り潰して作られる郷土料理のことです。湯に溶いてうどんを入れ、「ごまだしうどん」として食すのが一般的で、この「ごまだしうどん」は農山漁村の郷土料理百選にも選定されています。一同、おいしくいただきました。

翌日は、宮明さんから佐伯のまちづくりについて講義を受けました。宮明さんは教育委員長のほかに商店街の会長もされ、さまざまな公職につかれてまちづくりに取り組まれていますが、その原点は県南落語組合とよばれる落語により地域づくり活動であるとのことです。

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宮明さんからは笑いをまじえながら、とても示唆に富んだお話をうかがうことができましたので一部をご紹介いたします。

・コンセプトのあるまちづくりを。
 佐伯市に限らず地域の連帯性が弱くなっている中、特に商店街は希薄だと感じます。そんな中で郊外にショッピングモールができて人気が出てお客がとられるのは当たり前で、それはショッピングモールにはコンセプトがしっかりとあるからだ。ショッピングモールはお互いの顔が見えるという点では弱い部分であるが、そういったお互いの顔が見えるショッピングモールができたら商店街はとても勝つどころか生き残ることすらできないだろう。
 また、商店街の成り立ちは自然発生的にお店をたちあげており、商店街としてのコンセプトがあるわけではなく、現在多くの商店街がシャター街となっているのは、玉石混交のお店があるからだと言える。
 であるから、言い換えればシャッター街となった今がチャンスともいえる。コンセプトをもった商店街をしっかりとつくることができれば、かならず商店街が生き残ることができるともいえる。
 自分の店は薬局だが、自分の両隣3軒がシャッターがおりていたお店となっていたので、友人などのツテを使い自己努力で自分の両隣の空き店舗に地主を説得して、友人の医者に整形外科医院と眼下医院を開業してもらった。そうなると医薬分業だから自分の店にも利益がでるようになった。
 そして、そのもうひとつあいていた空き店舗にはその両隣の医院の待合室ということでスペースを設けて、患者や住民たちの交流の場をもうけた。こうすることによりコンセプトを持った商店街づくりができるようになっていった。
 きっとコンセプトのある商店街づくりとはこういうことなのだろうと思う。

・できないことは人にやってもらう
 人にはやれることとやれないことがある。だからこそ、それぞれの得意分野をうまく融合させることが大事で、さきほどの自分の薬局と両隣の医院の関係にも似ている。何でもすべて自分がマルチになってやる必要はないわけで、自分ができないところは、できる人にやってもらい、それぞれが役割分担しつつ、また切磋琢磨しながら高めあう、そういうようなグループをつくることが大事である。

宮明さんに貴重なお話をうかがったのちは、物産所に立ち寄ってお土産を購入するなどして、佐伯市の古い町並みを市の観光ボランティアガイドの方によりウォッチングしました。

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トンカツならぬ「ブリカツ」です。ブリカツ丼なるものもありました。

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ボランティアガイドさん。もとはバスガイドさんということで、流暢なガイドにみなさん聞き惚れておりました。ガイドの途中の雑談にでてくる佐伯の方言が素朴でとっても素敵でした。

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ガイドの様子

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佐伯市も古い街並みが残っています。

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マンホールには国木田独歩の詩が。

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佐伯市と言えば、なんといっても国木田独歩です。どんな人だったかは知らない人は調べてくださいね。

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ちょうど、塀を修復している工事現場を見ることができました。

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お家のところどころに飾り瓦があり、ウォッチングにもたまらないところです。

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ところどころかわったおうちもあります。

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途中で抹茶の休憩なども少々・・・。

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ガイドさんと一緒に佐伯のおいしいお食事と美しい風景を堪能いたしました。また、成人式の新成人に古い街並みで写真撮影をするといった仕掛けや、ミニ四国八十八か所を発掘しようとするなど、ガイドさんの地域づくりにかける熱い思いも聴かせていただきました。

愛媛から海をへだてたところにある大分県。特に佐伯市や臼杵市などはあまり行く機会がないところではありますが、ふたつの市のまちづくりから学ぶことが多かった研修だったように思います。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)