研究員ブログ

八幡浜旬彩市に行ってきました

八幡浜市で定期的に行われる「やわたはま旬彩市」と呼ばれる地域特産品を販売するイベントを視察しました。

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これは八幡浜市の新町商店街内の「新町ドーム」と呼ばれる施設で、毎月1回第3日曜日に開催される地元の直販市です。

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舞たうん96号にも登場したYGP(八幡浜元気プロジェクト)のみなさんから、「一度遊びにおいで」という熱烈なコールを受けましたので(ただ、私がのぞいてみたかっただけということもありますが)、訪問いたしました。

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じゃこてんがかなり激安な値段で販売されていたり、地元の新鮮な野菜や手作りの作品が販売されているなど、なかなか多くの人たちで賑わっていました。

このような商店街をつかった地元特産品の販売市というのは、最近どこの商店街でも活性化策のひとつとして取り組まれているようで、私の出向元の宇和島市の商店街でも日吉夢産地さんの特産市などが定期的に行われており、多くの人たちでにぎわっているようです。

ただ、それもその市場が開設されている時だけは、比較的商店街を訪れる人が多いのですが、そうではないときは人もまばらで閑散してしまっている、というのも商店街の現状のようで、これは愛媛に限ったことではなく全国的な課題と言えるようです。

だからといって私がその課題解決に対する術を持ち合わせているわけでないので、ここでは2月に視察研修で訪れた大分県佐伯市で、教育委員長をされている宮明さんからうかがった「商店街活性化のお話」をご紹介いたしましょう。

・コンセプトのあるまちづくりを。
 佐伯市に限らず地域の連帯性が弱くなっている中、特に商店街は希薄だと感じます。そんな中で郊外にショッピングモールができて人気が出てお客がとられるのは当たり前で、それはショッピングモールにはコンセプトがしっかりとあるからだ。ショッピングモールはお互いの顔が見えるという点では弱い部分であるが、そういったお互いの顔が見えるショッピングモールができたら商店街はとても勝つどころか生き残ることすらできないだろう。
 また、商店街の成り立ちは自然発生的にお店をたちあげており、商店街としてのコンセプトがあるわけではなく、現在多くの商店街がシャター街となっているのは、玉石混交のお店があるからだと言える。
 であるから、言い換えればシャッター街となった今がチャンスともいえる。コンセプトをもった商店街をしっかりとつくることができれば、かならず商店街が生き残ることができるともいえる。
 自分の店は薬局だが、自分の両隣3軒がシャッターがおりていたお店となっていたので、友人などのツテを使い自己努力で自分の両隣の空き店舗に地主を説得して、友人の医者に整形外科医院と眼下医院を開業してもらった。そうなると医薬分業だから自分の店にも利益がでるようになった。
 そして、そのもうひとつあいていた空き店舗にはその両隣の医院の待合室ということでスペースを設けて、患者や住民たちの交流の場をもうけた。こうすることによりコンセプトを持った商店街づくりができるようになっていった。
 きっとコンセプトのある商店街づくりとはこういうことなのだろうと思う。

「ピンチはチャンス」といいますが、シャッター街となった商店街を地域衰退の象徴として憂うだけでとどまるのか、あたらしい商店街づくりのチャンスととらえるのか、そのあたりが「まちおこし」を行うための分水嶺といえるかもしれません。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)