研究員ブログ

「にほんの里百選」に愛媛県から3箇所選定

朝日新聞社と森林文化協会は、人々の暮らしによって育まれてきた、すこやかで美しい里を100カ所選ぶ「にほんの里100選」選定事業を昨年1月から始め、2009年1月6日付の朝日新聞紙上においてその選定地を発表いたしました。

この選定には、『「里」の大切さを見つめなおし、地域の自信や活力につなげるとともに、生物多様性の確保や地球温暖化防止、自然の持続的利用に寄与する試みでもある』(HP引用)そうです。

選定される里の諸条件として、以下の3つがあげられています。

①景観 暮らしが生み出した特色ある景観が、まとまりをもって見られる。
あるいは、里の景観が全体として調和していて美しい。

②生物多様性 かつては里でよく見かけた動植物が今もすこやかに生きている。
あるいは、そうした生き物や生育・生息環境を再生する試みなどがある。

③人の営み 景観や生き物を支え、里のめぐみを生かす暮らしや営みがある。
あるいは、そうした暮らしを築き持続させようとする人々がいる。

この研究員ブログでは、そんな諸条件に合致して「にほんの里100選」に選定された愛媛県内の3か所をご紹介し、その選定理由も1月6日付朝日新聞記事より掲載いたします。

79.上畑野川(久万高原町) 農も林も里も元気印
農業とともにマス、イワナの養殖も営む。里山も手入れが行き届く。集落の「元気の素」は、世代を超え交流する婦人グループ

80.城川町田穂(西予市) 接待の場「茶堂」健在
巡礼者に飲食をふるまうことで自分も功徳を積む「お接待」の場である東屋風の茶堂が、棚田の脇に健在。虫送りの行事も残る。

81.遊子水荷浦(宇和島市) 空へかけのぼる段々畑
半農半漁の里で海ぎわから丘の上まで段々畑の石垣が屹立。石段は60段に及ぶ。手入れの行きとどいた畑でジャガイモ生産が盛ん。

景観10年、風景100年、風土1000年という言葉がありますが、このような美しい風景が生まれたのは先人の努力があったということを忘れてはならないと思うとともに、このような風景を私たちはどのように後世に伝えていくのかを考えるきっかけにしたいですね。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)