研究員ブログ

眼下に桜をながめつつ

 春は別れと出会いの季節である。県職員の場合、2~3年に1度は人事異動があり、別れと出会いが繰り返されていく。県職員となって35年を経た私にとって数年ごとにやってくる人事異動は「いつものこと」であったが、今回は「いつもとは違う」異動となった。県からの派遣により財団法人の職員となったのである。しかも、専務理事兼所長という重い職責を与えられたのである。

 長年慣れ親しんできた県庁(松山市一番町)の建物を離れ、センター(松山市三番町)に移動することとなった。直線距離にして数百メートルしか離れていないが、環境の変化は実に大きい。最も大きな変化は、庁舎内で日常的に会っていた多くの仲間たちに会わなくなったことであり、ずいぶんと寂しい思いをしている。しかし一方で、新しい職場には県庁にいる限り、決して一緒に仕事をすることがなかったであろう多くのスタッフが集っている。

 センターは県、市町、金融機関、企業、農業団体などからの派遣職員で構成されている。派遣元での経験、職位、職場環境などが異なっている中で、センター勤務になったことに程度の差はあれ、とまどいがあったものと推測している。そのようなことを意識しつつ、新任者の辞令交付式後のあいさつで次のことを言った。「このセンターは、役所、企業、団体など、いろいろな所から派遣されて集まった人たちの寄せ集め集団です。皆さん一人ひとりの拠って立つ所は異なっていますが、ふるさと愛媛を愛する心と、ふるさと愛媛を潤いと活力のあるいい地域にしたいという思いは共通だと思います」。

 この思いをスタッフ全員が共有していれば、センターとして必ずやいい仕事ができるものと確信している。センターの運営に様々な形で関わっていただいている方々の御支援を切にお願いいたしたい。

(所長 森川保男)