研究員ブログ

環境月間

 6月は環境月間です。昨今の環境に対する意識の高まりを受け、全国で環境保全のための行事が数多く行われています。
 
数ある環境問題の中で、今最も注目されているのは地球温暖化問題でしょう。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)2007年に発表した第4次評価報告書で、「これまでの観測結果から地球が温暖化していることは疑う余地がない」とし、「その原因として、人間活動による温室効果ガスの増加による可能性が非常に高い」との見解を示し、「気温上昇を影響の少ない2℃程度に抑えるには、温室効果ガス排出量を2020年には減少に転じさせ、2050年には2000年比で半減させる必要がある」としています。
 
日本では、現在京都議定書の目標である温室効果ガス排出量を1990年比で6%削減するため、さまざまな対策が取られています。また政府は、610日に、温室効果ガス削減の2020年までの中期目標を「05年比15%減」と発表しました。
 
温室効果ガス削減には技術的にも経済的にも多大の努力を要し、また地球規模の気候変動についてはまだまだ予測不能なところも多く、国際的にも国内においても合意の形成は難しい問題ではありますが、昨年のアメリカのバブル崩壊のように、皆が問題があることは十分に知りながら見て見ぬふりをし、まだ大丈夫だろうと十分な対策をとらず、ある日いきなり危機的状況に陥っていた、という事態にはなって欲しくないものです。

(企画研究部門 研究員 政木輝彦)