研究員ブログ

信濃町エタノール製造実験施設

 9月2日(水)に、長野県信濃町にあります東京大学大学院の五十嵐教授が実験されていますエタノール製造実験施設を視察してきました。この施設では、あきたこまちの稲わら・もみ殻、休耕田で栽培した飼料米を用いて、エタノール製造を行っている施設です。なぜそのような施設が信濃町にあるかというと、冬場-16℃にもなる自然環境の中で、実施することができれば、他の地域においても導入が可能だろうとの考えからだそうです。エタノールは、米100kgから50リットル、稲わら・もみ殻100kgから20リットル製造できるそうです。製造したエタノールの利用方法としては、①果樹園の土壌消毒②旅館などの固形燃料③消毒用薬剤として利用するそうです。
 ブラジルでは、一般的にガソリン、エタノール及びこれらを混合した燃料で走行可能なフレキシブル・フューエル・ビークル(FFV)が販売されています。日本では、エタノールを10%混合したガソリンには対応しているそうですが、ブラジルで販売されているような100%エタノールで走行可能な自動車は販売されていません。この施設は、実験施設ということもあり、日本ではお目にかかれないFFV車が、製造したエタノールで走行していました。施設の敷地の中ではありますが、実際に乗車しましたが、エタノールを燃料としていることから、匂いが少し違うのを除けば、一般的なガソリン車と大差ない乗り心地でした。
 日本では、北海道2ヶ所・秋田県1ヶ所で、比較的大規模なエタノール製造施設が今年中に製造に入るそうです。日本においても、FFV車が走行している将来は近いのではないでしょうか。

(企画研究部門 研究員 三好進祐)