研究員ブログ

地域課題研究サロン

今年度の地域課題研究サロンを、9月10日に県美術館講堂で、120名を超える参加者を得て、開催いたしました。

今回のサロンは、「行政に頼らない『むら』づくり」として、国会でも取り上げられた鹿児島県鹿屋市柳谷集落町内会長 豊重 哲郎 様を講師に迎え、基調講演を行いました。

基調講演では、地域活性化のために重要な3つのポイントとして、「1%の力、キーワード、ポリシー」を挙げ、「補欠は一人もいない」「8割について熟慮した上で行動する」「才能を引き出す」「リーダーは動き出したら脇役に徹する」「過疎地域は開き直らないとダメ」「まちづくり活動には、儲かる加工グループが必要」「ビジネス感覚を持つ」「先人(故人)をたたえるリーダーが必要」「リーダーは批判にさらされる覚悟が必要」など、御自分の体験を基にした、説得力のある言葉が次々と出され、多くの参加者がメモを取っていました。

また、2部のパネルトークでは、「地域再生~自立した地域コミュニティづくりのために~」として、上島町弓削の㈱しまの会社代表取締役 兼頭一司 様、愛媛県市町振興課長 村山 卓 様、豊重 哲郎 様によるパネルトークを行い、会場からの参加も得て議論を行いました。

サロン終了後の交流会では、ある地区の関係者は、豊重さんを皆で囲み、自分の地域の取組に活かすヒントを得ようと、交流会終了まで質問や地域の話で盛り上がっていました。

今回のサロンは、豊重さんの知名度もあり、募集期限前に申し込みが定員に達するなど、盛況のうちに開催することができました。一方、事務局として運営面で残念だったのが、県美術館の非常に立派な講堂での開催でしたが、マイクの調子が悪く参加者の皆様に一部聞き苦しい所があったこと、また、PC、プロジェクターの不調により、進行に手間取ってしまいました。次回セミナー等への反省点として、生かしていきたいと思います。

 (まちづくり活動部門 主任研究員 小方 悟)

信濃町エタノール製造実験施設

 9月2日(水)に、長野県信濃町にあります東京大学大学院の五十嵐教授が実験されていますエタノール製造実験施設を視察してきました。この施設では、あきたこまちの稲わら・もみ殻、休耕田で栽培した飼料米を用いて、エタノール製造を行っている施設です。なぜそのような施設が信濃町にあるかというと、冬場-16℃にもなる自然環境の中で、実施することができれば、他の地域においても導入が可能だろうとの考えからだそうです。エタノールは、米100kgから50リットル、稲わら・もみ殻100kgから20リットル製造できるそうです。製造したエタノールの利用方法としては、①果樹園の土壌消毒②旅館などの固形燃料③消毒用薬剤として利用するそうです。
 ブラジルでは、一般的にガソリン、エタノール及びこれらを混合した燃料で走行可能なフレキシブル・フューエル・ビークル(FFV)が販売されています。日本では、エタノールを10%混合したガソリンには対応しているそうですが、ブラジルで販売されているような100%エタノールで走行可能な自動車は販売されていません。この施設は、実験施設ということもあり、日本ではお目にかかれないFFV車が、製造したエタノールで走行していました。施設の敷地の中ではありますが、実際に乗車しましたが、エタノールを燃料としていることから、匂いが少し違うのを除けば、一般的なガソリン車と大差ない乗り心地でした。
 日本では、北海道2ヶ所・秋田県1ヶ所で、比較的大規模なエタノール製造施設が今年中に製造に入るそうです。日本においても、FFV車が走行している将来は近いのではないでしょうか。

(企画研究部門 研究員 三好進祐)

納税

 ビール大手各社から、8月のビール系飲料出荷量の発表があり、前年同月比6%減4,270万ケースとなったそうです。これは、8月の出荷量としては、7月同様、1992年の統計開始以来の最低量だそうです。8月前半は、大雨などの影響があり、盆明けからは、涼しくなったことが、出荷量に影響したようです。ただ、ジャンル別では、低価格の第三のビールが、10%増と好調を維持しているようです。
 確かに、今年の夏は、ビールの本数が減ったような気はしますが、その分、焼酎などで穴埋めをしたので、酒税は、例年並みに納めたような気がします。
   (企画研究部門 研究員 近藤誠護)

温暖化の影響でクマゼミが北上?は本当か

 8月初旬、新空港通り沿いのコンビニで買い物をしていた時に、何げに道路沿いの街路樹を見ると、クマゼミが気持ち悪いぐらいにびっしりと止まっていました。5メートル間隔で植えている他の街路樹も何本か見てみましたが同様の光景でした。

 男性なら誰でも子供の頃に、網と虫籠を持ってセミを採った記憶があると思いますが、私が幼少の頃に最も採れていたセミはアブラゼミで、クマゼミを採集するのは難しかったように思います。

 そんな折、気になるニュースがありました。クマゼミの生息分布に異変が起きており、以前は生息しなかった北関東などでもクマゼミが確認され、地球温暖化の影響でクマゼミの生息地が北上しているのではないかというものです。先に述べた体験があった私もなるほどと思い、その時は私自身が子供の頃と比べると地球は温暖化に向かっているんだなと納得させられました。

 ただ、少しだけ心に引っかかるものがあり、セミについて調べてみると、セミは移動力に乏しい、せいぜい5キロ程しか移動出来ない昆虫ということが分かりました。そのため沖縄では島ごとにセミの種類が違っていたりするそうです。また、セミにとってちょうど良い気候であるはずの鹿児島では、ここ数年クマゼミが激減している等、温暖化説では説明不可能な部分もあるとのことでした。

 更に調べてみると、他に有力な説として樹木の移植説がありました。これは樹木の移植の際に根の周囲に幼虫が混入しており各地に広がったという説で、これにはアオマツムシという前例があります。明治時代に中国から入ってきた外来種のアオマツムシは、街路樹や公園の樹木を移植する際に苗木にくっついて各地へと広がりました。その後、高度経済成長に伴い各地の道路整備が進むにつれて、道路沿いの街路樹や街灯を伝って都市部を中心にどんどん分布を広げていったのが分かっています。クマゼミもこのケースと同じではないかという事です。

 私にはどちらが真実かは分かりませんが、少なくとも全て温暖化が原因だと結論づける事は出来ないのではないかと思います。

      (企画研究部門 研究員 向井浩司)

二百十日

 松山は残暑が続いています。二百十日も過ぎましたが、ここ数年、松山は台風に襲われていないような気がします。(台風シーズンはまだこれからですが)昨年の猛暑と言い、少し気候が変わってきているのでしょうか?

 もっとも永田町は巨大台風に直撃されたようですが、こちらは台風一過の気持ち良い晴天になってくれればと思います。

 (企画研究部門研究員 政木輝彦)