歴史学の基本は史料批判です。歴史学の史料においては「いつ」「どこで」「だれが」を明確にすることが最も重要で、そのために歴史史料の信ぴょう性を徹底的に検証します。これは裁判の証拠調べに良く似ており、いつ、誰が、どこで、何の為に作ったのか分からない文書が証拠に採用されたら裁判は成り立たない理屈と同じといえます。ですから、なるべく多くの史料を集め、いろいろな角度から検証していきます。
歴史史料を分類すると、大まかに以下の5つに分けられます。
第1次史料
事件発生当時、発生場所で当事者が作成したもの。(当事者の日記、手紙、
当時の新聞記事等)
第2次史料
事件から時間が経過した後に、当事者が作成したもの。(回想録等)
第3次史料
第1次史料、第2次史料を基に作成したもの。
史料価値があるのはここまで
第4次史料
作者、作成年代、作成場所が判明しないもの。
第5次史料
何の為に作られたか分からないもの。(史料価値は0とされる)
諸説入り乱れているような歴史問題を考察する上で、上記のことを覚えておくと参考になるのではないでしょうか。
(企画研究部門 研究員 向井浩司)