研究員ブログ

おおき循環センター「くるるん」

 11月6日(金)に平成18年度にオープンした福岡県大木町にありますおおき循環センター「くるるん」を視察しました。大木町では、ごみ処理費用の増大等の理由から、生ごみ資源化を模索する中、し尿・浄化槽汚泥の海洋投棄禁止の猶予期限を迎え、メタン発酵によって、生ごみ・し尿・浄化槽汚泥といったバイオマスをエネルギーと有機肥料に利用する取組みを実施しています。得られるメタンガスは、発電によって施設の電力として用いられるほか、熱については施設内の給湯に用いられています。また、有機肥料は液肥として、水稲・麦などに利用されており、有機液肥を用いて減農薬・減化学肥料栽培基準をみたしたものを環境共生型特別栽培米「環のめぐみ」として販売しています。
 実際に、施設の概観としては周囲を緑の丘で囲っているため、上部からメタン発酵槽等が見える程度となっており、周辺環境ともマッチしたものとなっています。中に入ると脱臭をしているため、においはなく、できた液肥についてもにおいは非常に少ないものでした。
 大木町が抱えていたごみ処理費用の増加、最終処分場の不足等の問題は、他の自治体においても同様の課題となっていると思います。大木町の取組みは、ごみ処理費用の削減の効果もありますが、循環型社会の構築を目指しており、“ごみ”を“廃棄物”としてとらえるのではなく“資源”としてとらえた取組みが、今後より一層広がっていくことを願っています。

     おおき循環センター「くるるん」

        (企画研究部門 研究員 三好進祐)