研究員ブログ

傍論

いわゆる「傍論」とは、裁判の判決においての裁判官の意見で、裁判官の個人的な思い、考えを述べたものであり、判決には何ら関わらない部分のことを言います。よくテレビのニュースや法廷ドラマなどで、「主文、被告を○○に処す」という裁判官のセリフを聞いたことがあると思いますが、この冒頭に述べるのが「主文」で、(極刑は主文後回しになるケースがほとんど)その後被告に裁判官が1、2時間ほど理由や意見を言い、その部分で「傍論」を述べます。

稀に、ある判決においては裁判官が「主文」の部分と「傍論」の部分とで正反対の事を述べている事があり、そのような判決はしばしば物議の種になります。一部の例外を除けば、判決は冒頭の「主文」が全てで有り、傍論部分には法的拘束力はないと考えるのが妥当です。よく新聞等で違憲判決との見出しが出ている記事がありますが、こういったことを踏まえて読むと、今までと違った記事の見方が出来ると思います。

 

 

      (企画研究部門 研究員 向井浩司)