研究員ブログ

近代化遺産ニュースvol.4

研究員の土岐です。

vol.3「佐島製錬所」に続いて、さっそくvol.4をアップしたいと思います。

今回は最近、現地調査に行った「伊予市の削り節産業」について語ります。

愛媛県の「削り節」は全国1位(シェア31%※)で、「かつお削り節」も全国1位(同42%※)です。なかでも「ヤマキ」「彌満仁」「マルトモ」は『削り節の御三家』と言われています。(※H21年 農林水産省 水産物流通統計年報)

伊予市における「削り節」は、大正5年に岡部仁左衛門(彌満仁)が名古屋から削節機を購入して製造を開始し、次いで大正6年に城戸豊吉(ヤマキ)が創業、大正7年に明関友一(マルトモ)が創業しました。、この3軒がお互いに切磋琢磨して、協力しあいながら、伊予市を『削り節の町』と言われるまでに盛り上げたわけなんです。

今でも当時を物語る遺構として・・・

 

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「ヤマキ旧事務所」が、ヤマキ本社の一角にあります。

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現在は、モニュメントとして残しております。ただ取り壊すだけでなく、地域の町並みも考えた企業方針が感じられます(たぶん、ただ取り壊した方が費用が少ないであろうところを、あえて改修して保存している様です)。

近くには、削り節の創始者である岡部仁左衛門の邸宅(おそらく大正期建築)も残っています。

近代化を支えた産業があるからこそ、その地域で人が集まり、社会インフラを整備され、相乗効果で更に地域が発展していきます。この辺りを調査すると、地域の発展に情熱を燃やした人の足跡が感じられました。

次回は、あなたの地域におじゃまします(愛媛県限定)!