研究員ブログ

近代化遺産ニュースvol.7

こんちには、研究員の土岐です。

皆さんはいかがお過ごしでしょう!?寒すぎですね~ぶるぶる・・・うん!?もっと寒いところが・・・懐のあたりが・・・もぞもぞ・・・あっ、こいつだ!・・・うん、自分の財布だ!!

さておき、でも、こんな寒い日には体が温まるものが欲しいな~・・・

何がいいかな~・・・やっぱ酒かな~・・・

っということで、今回は先日お邪魔した「梅錦山川」についてアップします。

そういえば、うちのじいさんがよく「梅錦」を飲んでるな~。皆さんも「梅錦」は良く知っていることでしょう。

愛媛では約60社の蔵元があるそうですが、愛媛酒の台頭と普及をリードしてきたのが「梅錦」と言っても過言ではないでしょう。全国新酒鑑評会で通算30回も金賞を受賞してます。スゴイですね~。

「梅錦」を造っている会社の正式名は「梅錦山川株式会社」で、旧川之江市金田町にあるのです。

なんと!梅錦の「店舗兼主屋」と「仕込蔵」が国の登録文化財!

そしてなんとなんと、但馬杜氏の山根福平は弱冠30歳にして杜氏に抜擢され、平成5年に厚生労働省「現代の名工」に選ばれています。

※杜氏・・・酒を作る職人で、酒造り職人衆をとりしきる長。全工程に習熟するまで通常、数十年を要します。その仕事の内容にふさわしい敬意を払われ、収入面でも恵まれ、「杜氏になれば御殿が建つ」などと言われてました。なかでも但馬杜氏は南部杜氏・越後杜氏に次ぐ勢力で日本3大杜氏と言われています。

「梅錦山川」の創業は明治5年。中国清王朝の同治帝の時代です。同治帝よりもその母親が有名ですよね。そうそうその人・・・西太后。西太后が権力を独占していた時代。

そういや、来年2/9~3/18愛媛県美術館でする「北京・故宮博物院展」楽しみなんですよね~。紫禁城の秘宝が公開されます。あー楽しみ~。

戻ると・・・明治5年は今から139年前。日本では、日本初の鉄道(新橋~横浜間)が営業した年。なんか近代化遺産っぽくなってきたな~。

(初代)山川由良太が「梅錦山川」を創業。当時は水車を使った製油がメインで、副業で精米、そして、共同経営で酒造りを始めました。

その時の屋号は「藤井商店」で、銘柄は「藤乃澤」。

「梅錦」は大正5年に商標登録をしています。ちなみに、「梅錦」の由来は、会社のある金田町金川の町は、近隣でも有名な梅林があり、その美しい梅の花と香りに由来しています。

じゃあ・・・写真いくよー

仕込蔵

これが仕込蔵。「実現することが容易でないもの」として国登録文化財となりました。

つまり、今の形式・基準がちがちの建築方法だと、再現は不可能ということです。

次は・・・

梅錦主屋

これが店舗兼主屋。これも「国土の歴史的景観に寄与している」として国登録文化財となってます。

主屋看板

看板にもバーンと「梅錦」!

いずれも具体的な建築年は不明ですが、明治中期頃のようです。

これからの時代、内子町の町並みは有名ですが、どの地区にも古い町並みは重要な観光資源になるし、自分の郷土の発展と変遷を知り得る大切な要因となります。

しかも、近代化遺産は再現がほぼ不可能な物件ばかりです。

愛媛県民は、全国47都道府県で「趣味・娯楽の時間」1位、「休養・くつろぎの時間」3位という、3次活動時間(いわゆる自由時間)が全国2位と多い県民です(・・・自分はそんな実感はあまりないですが・・・)。

※出典:H18年「社会生活基本調査」

是非、その時間を活かして、自分の町並み発見に行ってみよう!