研究員ブログ

地域づくり人養成講座第3回in高知県

こんにちは!(^v^)!

臨時研究員の徳永です☆

 

みなさん、【林業】に対してどんなイメージを持っていますか?

今回の地域づくり人養成講座第3回目(8月24日、25日)では、「複業的自伐林業を通じた地域づくり」高知県の現地を訪れて勉強をしました!

訪れたのは、高知県いの町

ここでは、高性能機械を使った大規模林業ではなく、自伐林業(=自分で、切って搬出)という小規模林業スタイルにすることで業として成り立つそうです。

さらに、誰でも林業に参加できるような仕組みが出来ています。

地元の人が地元の山で自伐林業をすることで、山が丁寧に手入れされていき、さらに、売った間伐材や林地残材で地元の自伐林業家が儲け、地元の商店も潤うという地域で経済が循環する流れも出来ています!

林業の現実と可能性が分かり、目からウロコがボロボロと落ちました(@_@。。。)!!

 

 

さてさて、講座1日目は現地視察から始まりました☆

間伐材や林地残材を手に入れるのは、私たちが想像していたよりも簡単なものでした!

(私は、素人や女性はできないと思っていました(>_<))

まずは、チェーンソーで木を切り倒します。

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切り倒した木をワイヤーにくくりつけて引き上げます。

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引き上げた木を軽トラックに乗せて運びます。

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これが一連の流れです☆

地域の農家、サラリーマン、定年退職者や女性など誰でも資格ナシでできるそうですヽ(^。^)ノ

(技能講習を受けることなどはオススメします★)

 

 

私たちも試しにチェーンソーを触らせてもらいました!(^^)!

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写真のとおり、女性もできます(●^o^●)

最近は、女性で林業をする人を「林業女子」と呼び、現在少しずつ注目されています☆

※本山町地域おこし協力隊のブログで隊員の時久さん(女性)がその様子を書いています♪

以前は、林業はごく身近なものだったのかもしれませんね(^-^)

現在では、なかなか体験できない貴重な時間でした*

 

 

そして、午後からは「簡単にできる自伐林業」と「地域づくり」を絡めたお話をNPO土佐の森・救援隊 中嶋健造さんにしていただきました☆

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中嶋さんは、もともと高知県出身でUターンされ、平成15年に土佐の森・救援隊の立ち上げに参加されました。

土佐の森の方式は、

【①自伐林業+②シンプルなバイオマス利用+③地域通貨】 です。

 

①自伐林業

 現代では、林業と言えば一般的に業者や組合に任すものだと思われています。しかし、平成15年に中嶋さんが実際に自分で伐採したときには、日当5万円も儲かったそうです。「儲かるやないか林業は!」と気づき、土佐の森では、自分の山の木は自分で切って、販売する方法を推進しています。小規模で行っているため、大規模林業とは違い、雇用の拡大も見込めます。さらに、自分所有の山であるため愛情がこもり、いい森がつくられていくという利点もあります。

②シンプルなバイオマス利用

 土佐の森は、シンプルな加工や利用があらゆる面において有効である”薪”を勧めています。薪の最大の特徴は、「誰でもつくれる」ということです。他には、山間地の住宅には薪風呂の家庭が多かったり、薪ボイラーを利用したい温泉施設があった等、この地域に合った木材の利用方法でもありました。シンプルかつ低コストであることが、自然と受け入れられていったようです。 

③地域通貨

「山の恵みを、地域商店に」を実践した地域通貨モリ券のシステムは、自伐林業家が持ってきた林地残材を、地場産品に交換できます。そのシステムをつくるための財源確保にも工夫があります。自伐林業家が、森林整備を継続的に実施していることで、CO2の吸収増大につながりことや、また、出荷した材が化石燃料の代替になり、CO2の排出削減になることは森林環境保全活動に貢献しています。これらのことから、環境に優しい活動に対する支払い(お礼)という意味で、財源の一部を得ています。

 

これらの方法は、分かりやすく、かつ、地元の人も参加しやすく、なんと言ってもその地域のためになっているということが、向かい風があったとしても、成功へと導いたのだと感じました!

 

 

その後、場所を移動して、土佐の森・救援隊の事務所や、薪ボイラーが実際に利用されている温泉施設「土佐和紙工芸村QRAUD」を見学しました(^u^)

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 <土佐の森・救援隊の事務所に集められた薪>

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 <温泉施設QRAUDで利用している薪ボイラー>

 

最後に、現地見学と講義を通して、グループワークをしました☆

話す内容は、「自分たちの地域で、(主にすてられているような)木を活用し、拡げていくためには何をしたらいいか。」です。

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「自分たちの地域って、どんな風に木材が利用されているの?」

「何処で木のリサイクルができるんかなぁ?」

「それって誰がやっていくーん?」

いままで林業に関わったことのある人が少なかったのですが、少しずつ思考を廻らしていきました(ー_ー)!!

 

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◆スカイ◆チーム

間伐材の利用について温泉施設の燃料や木材加工品、燃やした後の灰利用など、循環させていく仕組みについて地域住民主体で行っていくことを考えました! 

 

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◆みかづき◆チーム

 メンバーのなかに実際に薪ストーブを利用している人がいたので、愛媛の特産物であるミカンの枝を薪ストーブに利用していく仕組みを子どもを絡めて考えました☆

 

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 ◆はぐれ鳥◆チーム

集落に一つ大きなボイラーを造って、その集落内で連携を図り、企業や行政とも力を合わせるシステムを考えました!

 

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◆りんご◆チーム

地域内で木材を循環させようと、間伐材による木工品の制作、薪ボイラーの燃料に廃材を活用、そして灰は森に肥料として還元するシステムを考えました。

 

中嶋さん、前田先生から感想もいただきました(*^_^*)

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取っ掛かりは、お遊びなど簡単なことから入るのが良いそうです。土佐の森では、林家が晩酌代が稼げる程度の仕組みから始まりました。すると、地域の人同士の交流が始まったり、もっと稼ぎたいと競争のようなものも始まってきます。それを続けていくには、企業や地元の人が、互いに利益が得られるwin-winな状態をつくることも大切です。

また、地域づくりを、特に雇用や経済活性化をメインにして進めたい人には、バイオマスは検討すべき課題だと思います。

 

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受講生のワークをまとめる力が上達してきたように思います。

これからも、実際に現場でこの方法を使うことはあるので、より当事者として考えながら、さらにまとめていく力を身につけていけたらいいですね。

 

 

中嶋さんを始め、土佐の森救援隊の方々、自伐林業の協力してくださった方々、QRAUDの方々、前田先生、受講生のみなさん、本当にありがとうございました&お疲れ様でしたーーー(●^o^●)

 

 

今回は、一泊二日ということで、二日目は四国中央市新宮「霧の森」の見学をして、無事に講座は終わりました!

霧の森でも、お忙しいなか説明をしてくださったスタッフの方、ありがとうございました☆

この日も霧の森大福を求めて多くの人の行列ができていました!!(@_@)!!

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そのワケは・・・

詳しくは、コチラのブログで紹介しています♪

 

今回の講座も、盛りだくさんな内容でしたが、「地域づくり」という視点からすると、どんな分野でも「地域の人を大切にする」ことは共通なことであり、それがリアルに見れたということで大変良かったです!

また、【林業】に関わったことがある受講生(センターのメンバーも!)は少なかったので、新たな視点が増えて面白かったのではないでしょうか(=^・・^=)♪

 

次回の第4回講座は、今治へ行きます★☆★

講師は森のともだち農園の代表:森智子さんです~!元気でパワフルな方です♪お楽しみに!!