研究員ブログ

令和リレーブログ その15

研究員の安井です。

センターでは、近代化遺産活用アドバイザーの岡崎さんに講師をお願いして、近代化遺産の勉強会を開いていますが、フィールドにも出ようということで、これまで、センターに近い庚申庵と、県庁・萬翠荘を見学しました。

庚申庵は、俳人の栗田樗堂が寛政12年に建てた草庵で、松山市が復元し、NPO法人GCM庚申庵倶楽部によって管理・運営されています。俳句や地域文化に関するいろいろな講座・催し物も開催されており、また庭園も美しく、4月の終わり頃にはふじの花が満開です。俳諧の道に精進した俳人の往時の様子が思い浮かびます。

庚申庵1  庚申庵2

県庁本館は、昭和4年の建築で、中央のドームや左右対称の比翼が特徴的です。外観は花崗岩貼り瘤出し仕上げや人造擬石塗り洗い出し仕上げ、また玄関の花崗岩の彫刻仕上げなどさまざまな技法が使われています。

県庁1 県庁2 県庁3

萬翠荘は、大正11年に旧松山藩主の子孫にあたる久松定謨伯爵がフランスへの熱い思いで建てた純フランス風の建物です。建設費は、当時、県庁本館が100万円だったのに対して、30万円もかけたといわれています。

萬翠荘

設計は、県庁本館・萬翠荘ともに当時関西を中心に活躍していた木子七郎で、松山出身の実業家の縁者であったことから県内には鍵谷カナ頌功堂など他にも多くの建物が残され、愛媛の近代建築に影響を与えています。

大正~昭和初期の近代建築を実感できます。

 

PS.次回は井上研究員にリレーします。