研究員ブログ

薬用植物を活かした山間地域の産業振興を考える

11月1日(日)久万高原町で開催された和製ハーブ「クロモジ」に関するセミナーを聴講して来ました。

 

クロモジと冬の健康管理

久万高原町セミナー案内

 

 

まず、クロモジって何?と思われる方も沢山いらっしゃるはずなので、少しご説明させて頂くと、クロモジはクスノキ科の落葉低木。茎や葉に芳香性が強くお茶やアロマなどに使われ、近頃は和製ハーブとして人気となるとともに、養命酒を製造する上で原料の一部となっていると伺っております。

 

養命酒製造新聞広告

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このクロモジを研究して、アロマオイルやキャンドルの商品開発を地元上浮穴高校の学生が進めていて、初代プロジェクトチームや現チームからの成果報告がありました。

 

くまーるの森びとパンフレット

くまーるの森びとパンフレット

 

また、愛媛大学の伊賀瀬教授から、クロモジエキス入りのど飴の効果について同大学附属病院看護部職員と養命酒製造(株)による実験結果の報告があったほか、インフルエンザ治療薬のタミフルは、中華料理香辛料の八角が源となっていて、八角は植物のトウシキミ(シキミではありません)の果実が源となっているとの解説もありました。

こうした薬用植物を活かした地域産業の振興は隣県の高知県でも進められていて、高知県・越知町・(株)ツムラ・農事組合法人ヒューマンライフ土佐の4者は、平成20年(2008年)にパートナーズ協定を締結、同地域では薬用植物の柴胡(サイコ)や山椒などの漢方生薬原料を生産、漢方薬の柴朴湯(サイボクトウ)や大建中湯などとなって皆さまの健康に貢献しております。(出典:高知県、(株)ツムラホームページ)

薬用植物の多くは久万高原町のような比較的冷涼な気候の地域で生育することから、山間地域の産業振興を考える上での大切なヒントをご教示頂いたと認識しております。

それでは、今回はこのあたりでお暇とさせて頂きます。