研究員ブログ

環境自治体会議うちこ会議

5月23日から25日の3日間、「第15回環境自治体会議うちこ会議」がエコロジータウンを目指す愛媛県内子町で開催されました。

環境自治体会議とは、環境自治体をめざす自治体同士が、情報交換や相互交流、研究・実践活動を進める場として創られたネットワーク組織です。今回は、地球に生命のあるもの全てに影響を与える環境問題の発生に、持続可能な社会を目指し、環境に配慮した暮らしを実践するとともに、全国の環境先進自治体や団体等との交流及び情報交換の場を設けることにより、国民、環境団体、自治体関係者等の環境に対する意識の高揚を図るために開催されました。

第15回目の環境自治体会議は初めて四国で開催され、「暮らし再考 自然再生 ~今見つめなおそう 真のエコロジー~」のテーマで、環境自治体会議の会員(59自治体)や県内外から約750名の参加がありました。

初日は、地元“劇団オーガンス”が環境問題を表現した「僕らもみんな生きている」の公演で幕を開けました。全体会第1部では、地元内子町長が話題提供者となり、「歴史的景観保全が果たしたもの」について4名の論者により、歴史的景観の重要性、原風景の共有化などについて討論がなされました。第2部では、「エコロジーのまちづくり 四国から発信!」をテーマにパネルディスカッションが行われました。東京都日野市長がコーディネート役を務め、徳島県上勝町長、高知県梼原町長、高知県馬路村長、愛媛県新居浜市長より、それぞれの市町村のおかれている立場での環境問題への取組や環境に配慮したまちづくりについて報告がありました。ゼロ・ウェイスト宣言(上勝町)、風・光・水・森を生かしたまちづくり(梼原町)地域資源のまるごと活用術(馬路村)マイ箸運動(新居浜市)など先進的な取組の発表がありました。

全体会

2日目は内子町全域で、「石畳・むらの風景づくり」「バイオマスペレットの今と未来」「食の安全から考える農業」など14のテーマで分科会が行われました。私は「近自然工法に見る自然環境保全」の分科会に参加しました。午前中はフィールドワークで、近自然河川工法地、有形民俗文化財の石垣、成留屋の住環境と河川周辺の見学をしました。昼食は小田川のシンボル“榎”の下でとり、地元愛媛大学生の「小田川を守れよもだおやじの挑戦」の紙芝居と国の河川行政の考え方を変る一助になった「五十崎シンポの会」の取組経緯が報告されました。その後、場所を五十崎凧博物館に移し、5人の話題提供者からの発表とコーディネーターを務めた㈱西日本科学技術研究所の福留氏の講話など、環境保全と土木事業、国と地方、町民(企業)と行政などあらゆる観点から再考しながら、水辺環境と土木事業について研鑽を深めました。

榎

※小田川のシンボル“榎”

 

3日目は、内子の伝統的建造物である「内子座」で全体会が行われ、前日の各分科会の報告がありました。どの分科会も“内子らしさ”が随所に見られ、全国から集まった参加者も「町並み・村並み・山並み」を満喫するとともに「暮らし再考 自然再考」されたようでした。最後に、「自らの地域の資源を再考し、豊かな社会を子どもたちへ引き継ぐための新たな一歩を踏み出す」ことを宣言し、全日程を終了しました。

1日目の歓迎レセプション、2日目の交流会と両日に渡り、地元色(食)を出した宴を催すなど、官民一体となってもてなしていただきました内子町の皆さんに心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 松本 宏)