研究員ブログ

心配の種

 先日、ふと、考えさせられる出来事がありました。ある雨の土曜日、自転車通学の娘が、カッパを持っているのにズブ濡れになって帰ってきました。どうしたのかと聞くと、娘は、「私だけカッパを持っていて、一緒に帰るみんなは持っていなかったので、一緒に濡れて帰ったけど、けっこう楽しかったよ」と言いました。

考えさせられたのは自分だったらどうしただろうと。みんなと一緒に濡れて帰ることもあれば、一人だけカッパを着て帰ることも考えられます。あるいは雨が止むのを待つこともありますし、親の迎えを待つことも、バスに乗る選択肢だってあります。一緒に濡れて帰れば楽しいが、風邪をひくことが心配です。もちろん洗濯も必要です。止むのを待てば時間の無駄が生じます。さて、どうしたものかと「ふと」考えさせられました。

以前から、お世話になっている和尚さんから「正しいという文字は、『一つ止まって考えてからやる』と正しいという字になるんだよ、一度止まって考えないとね」と教わってなるほどと妙に感心したものです。

さて、正しい選択になるかどうかは結果論として、今の未曾有の経済危機が「深刻な大雨の日」の対処だと仮定したら、どう決断するのだろうかと・・・。一度止まって天から降る雨を観て、どうしようかと考えるだけの余裕があるのだろうか?やはり止むのを待つのかな、心配は尽きません。

 

 

(まちづくり活動部門 研究員 武田昭文)