研究員ブログ

手から心へ、ぬくもりを

6月28日(木)、(財)えひめ地域政策研究センターの会議室で、えひめ地域づくり研究会議(以下研究会議)の平成19年度第2回運営委員会が行われました。2ヶ月に1回、定期的に開催している運営委員会では、研究会議の事業内容や県内各地のまちづくり情報などが活発に意見交換されています。

今回の運営委員会から「卓話」を取り入れました。現在23名いる運営委員(内、代表運営委員3名、 事務局長1名)が輪番で30分程度の講話を行うものです。初回の担当は、武田信之運営委員(新居浜市)が行いました。

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卓話は武田運営委員からスタート

武田さんは、昭和60年に新居浜アメニティ倶楽部設立に携わって以来、22年間地域活動を続けてきたそうです。その過程で、多くの人との出会いがあり、たくさんの思いや刺激を受けたそうです。当初、アメニティ倶楽部の立ち上げには研究会議の近藤代表や守谷さんたちにご指導いただいようで、ボランティア活動とは何か、市民の手で何かできないか模索されたそうです。そのなかで、アメニティ倶楽部の3つの基本的な柱、「自然」「文化」「生活」について、身近なことから取り組みを始めたようです。武田さんは「文化」部門で活動され、子どもたちに歴史を伝えていこうと、切り紙やお手玉の伝承に取り組んだそうです。

昔の遊びのなかでも、特に「お手玉」遊びは評判が良くて、お年寄りと子どもの交流が盛んにできたそうです。おばあちゃんから孫への「隔世伝承」につながると、お手玉の普及活動を展開されました。平成4年には「日本お手玉の会」を発足させ、第1回全国お手玉遊び大会を開催されました。見る、作る、遊ぶの要素がお手玉にはあるそうで、誰でも簡単に始められ、世代を超えた交流、また、海外へも出かけ国際交流も図っているそうです。驚いたのは、お手玉の会発足時から「世界を見据えた活動」を視野に入れていたそうで、グローバルな発想とローカルさが絶妙のバランスで保たれ、会を運営されていると感心しました。今では世界に3支部、国内に51団体を組織する新居浜発の地域づくり団体になっています。

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英語版の写真絵本「お手玉」

武田さんとお話させていただくと、話の中に多くの方々が登場されます。それも各分野に亘り、多彩な顔ぶれの方々ばかりです。そして、そのお話の隅々に感謝の気持ちを感じることができます。今回のお話から地域づくりは、多くの人に支えられていること、「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」、実践すること、そして継続することの大切さを学んだように思います。

今回の運営委員会では、20周年記念誌の販売促進や地域ミニフォーラム等について協議しました。運営委員からの情報提供もあり、宮本常一生誕百年記念の集い(8/1)、六ヶ所村ラプソディ上映会in内子(7/28・29)、全国近代化遺産活用連絡協議会総会フォーラム(7/5)、2007JIA・AIJ建築市民講座(7/14)、きなはいや伊方まつり(7/28)など開催が予定されているそうです。

次回の運営委員会は、8月30日に開催され、卓話リレーは菊池運営委員(八幡浜市)にバトンが引き継がれます。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 松本 宏)