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研究員からの一言
ミュージアム呉の「大和ミュージアム」の入館者が、今年の5月20日、開館日数668日で300万人を超えたとのことです。平均して1日に約4,500人の入館者です。私も、何回か行っています。そこで、なぜ人気が続いているのか、私なりに感じたことを書いてみました。 ミュージアムですから、もちろん一番重要なのは内容です。「大和ミュージアム」には、旧海軍、旧呉海軍工廠と共に発展してきた戦前の呉、その技術が、造船、自動車、家電等の製造技術に生かされ、戦後の日本の復興を支えてきたこと等がわかりやすく説明されています。展示物としては、海底から引き上げた「大和」の残骸の一部や乗員の遺品、旧海軍の人間魚雷「回天」、「零式戦闘機」、戦艦「陸奥」の主砲砲身等や、テクノスーパーライナー、深海探査船「しんかい」等の実物が展示されています。 次に立地の良さです。船で行くと、呉中央桟橋ターミナルからはすぐ隣です。JR呉駅からは陸橋で繋がっていて、迷わず、雨にも濡れずに到着できます。これなら、予定がなかった人でも、ちょっと時間があるから寄ってみようかな、と思うかもしれません。 周辺の観光地との連携も良好です。土日には呉探訪ループバスがミュージアム前から運行されており、ミュージアムを見た後は、簡単に「大和」を建造したドック、潜水艦や旧海軍工廠の赤レンガの建物が身近に見られる「アレイからすこじま」、海上自衛隊呉地方総監部(旧呉鎮守府)、入船山公園等を巡ることが出来ます。全体に、船、海軍等呉地域ならではのテーマに統一されており、わかり易く、充実感があり、町全体がミュージアムの延長のような感じです。 これらに加えて、映画「海猿」や「男たちの大和」が公開されたことも大きいでしょう。 ところで、「大和ミュージアム」の展示物の多くは、ミュージアム完成の数年前から、呉市近郊で公開、展示されていました。その時にも行ったことがあるのですが、倉庫のような建物で、呉市からバスに乗っていかねばならないこともあり、閑古鳥が鳴いている状態でした。呉では、以前からあったシーズに人を呼び込めるよう工夫して手を加え、場所を選び、周辺の施設とうまく連携した結果、花開いたということでしょうか。 さて、地元松山市でも、松山市内全体を「屋根のない博物館」に見立てて、「坂の上の雲」フィールドミュージアム構想を進めています。 〔研究員 政木 輝彦〕 |
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