研究員ブログ

住民自治組織「されだに」の現場から

先日、伊予市中山町の住民自治組織「されだに」の発足式に参加した。行政に頼らない、地域の人たちが自分たちで主体的にムラを守って、持続的に発展させていくんだという、佐礼谷地区の人々の意欲を目の当たりにする中で、大学時代に日本近世史を少々かじった程度の研究者ではあるが、現在の住民自治、新たな公ともいうべき動きに、「江戸時代の村請制度」の姿を見た思いがした(そのあたりの詳しい話はマニアックになるので割愛する)。

200806011448000.jpg

さて、最近、協働という言葉を行政関係文書で頻繁に読んだり聞いたりする。特に自治体計画や基本構想には「市民協働」「協働のまちづくり」といった文言は頻繁に登場するようになった。それだけこれからの自治体施策のキーワードということなのだろう。

そんな中で、月刊ガバナンス6月号に、「協働」は自治体スリム化の道具か?と題した特集記事が掲載されていた。

記事によると、協働の出発点は民間の発想や手法を利用しながら公共サービスを提供していくという「質の改善」を図るものであったのに対し、近年では、行財政改革という理由から、「『経済性・効率性の改善』を図るへの期待が『質的改善』への期待を大きく上回っている」という状況になっていることが指摘されている。

ゆえに、「市民活動団体・NPOに対して企業と同等あるいはそれ以上に、経済性・効率性を重視した行政代替型のサービス供給を期待する自治体」も少なくなく、「NPOを『安易な下請け』のように扱うという現象も生じさせている」ようだ。

また、「既存の協働施策のほとんどが行政サイドの発意により着手され、時に市民の意向を置き去りにしたまま、行政主導で淡々と事業化が進行している例も少なからず見られる」そうである。

「地域協働」というスタンスで、市民に公共サービスの一部を任せることを予定するのであれば、その「前提条件として政策形成過程における市民の参加が不可欠」との意見が寄せられていた。

そして、結論的に「協働施策」を実施していくためには、NPOや市民活動団体と接触する機会の設定など、市民との対話を頻繁に行う「対話型職員」を育てることを推奨している。役所側の一方的なおしつけではない、市民サイドとの対話の中から協働に必要な職員の能力を積極的に開発していく必要性が問われているとしているのだ。

さて、住民自治組織「されだに」の事例に戻ってみると、この組織を立ち上げるまでに、伊予市では専門のスタッフとして職員を配置して、住民といっしょになって議論をしたそうで、これまでのように佐礼谷地区にかかりっきりということにはならないそうであるが、住民と対話を続けながら組織が自立できるように応援していくそうである。これからの「佐礼谷地域」と伊予市の将来に期待したい。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)

県立図書館からのご案内

愛媛県立図書館の図書館司書の方よりイベント告知を依頼されましたので、そのご紹介です。興味のある方はぜひご参加してみてはどうでしょうか?

「松山都市圏の強みとお金の流れセミナー ~地域経済循環分析を用いて~」
日時:平成20年6月12日(木)13:30-15:00
場所:愛媛県立図書館5F特別展示室
詳細はこちらまで

ちなみに、このイベントは、高知や徳島は各県庁が会場となってそうですが、愛媛だけは図書館が会場となっているので、イベントに関連する情報もあわせて提供してセミナーに「付加価値を付ける」という「ひと工夫」をされているそうです。うーん、すばらしい。

また、「研究員ブログ」でも何回かご紹介した「図書館のビジネス支援」の関連情報も頂戴いたしました。

愛媛県立図書館では、6月11日(水)、12日(木)に愛媛県産業技術研究所とえひめ産業振興財団の「平成20年度研究成果展示会及び普及講習会」の開催時に、県立図書館もブースを一つ設置してビジネス情報支援サービスの紹介をするそうです。興味のある方、詳しくはこちらからご参照ください。
http://www.s-tbf.net/contents/event/cat5/19610611.html

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)

ドネーションパーティへ行ってきました

去る6月1日(日)に行われました八幡浜市の新町ドームで開催された「第21回福祉のつどい」へ行ってきました。

200806011006000.jpg

今回の訪問の目的は、この研究員ブログでもご紹介いたしました、YGPのみなさんが仕掛けた「ドネパ(ドネーションパーティ)」の視察です。

200806011043000.jpg

ドネーションパーティについての仕組みについては研究員ブログでご紹介いたしましたが、ここで再度おさらいをしておきましょう。

ドネーションは、donationと表記する「寄付行為」を意味する英語で、ドネーションパーティとはアメリカなどで行われている、市民活動に対する市民の寄付行為を行うイベントというわけです。

どうやって市民のみなさんが市民団体に寄付するかというと、

①受付で1口100円の市民活動団体の応援券を購入

②応援券に書いてあるエントリー団体から応援したい団体を選んで投票

③投票結果を発表して寄付金の配分

という流れになります。100円からできる市民活動というのが、このドネーションパーティのウリというわけです。

200806011051000.jpg

※投票の様子

200806011105000.jpg

※投票箱の中身!

さて、気になるこの日の寄付金の合計結果ですが、

13万円くらい

だったそうです。YGPの方に聞くと「山口で行われていたドネーションパーティでは24万円くらい集まったので、せめて半分くらいは・・・」ということでしたので、最初にしてはよい結果だったのではないでしょうか。

「日本は欧米に比べて寄付文化が希薄だ」といわれていますが、赤い羽根共同募金などの結果をみると、日本人のおおよそ6割は寄付行為を行ったことがあるそうで、この割合でいえば欧米も日本も大差がないそうです。

しかし、欧米に比べると、ひとりあたりの寄付金の平均額が圧倒的に少ないというのが実情だそうですので、日本の場合は「広く薄く」寄付金を募るという方式のほうが受け入れられそうな感じがします。

そういった意味で、現在ふるさと納税などで言われている寄付金にかかる最小住民税控除額は5,000円からですので、それにくらべてYGPさんの100円からできる市民活動は、意外と日本人の寄付事情にマッチしたものだと言えるかもしれませんね。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)

「ふたみシーサイド公園/恋人岬」恋人の聖地記念イベント

「日本の夕陽百選」に選ばれている伊予市双海町のふたみシーサイド公園には、恋人岬や夕日の観覧席(階段式護岸)、願い石、幸せの鐘があり、カップル達の人気スポットとなっています。

そのふたみシーサイド公園/恋人岬が、平成20年4月1日にNPO法人地域活性化支援センターの「恋人の聖地」に認定されました。

「恋人の聖地」とは、地域の活性化対策ならびに少子化対策として、情報伝達力の高い若者を中心として、魅力ある観光・ドライブ情報を提供するために全国各地の観光エリアや施設を認定したものです。

今回、その「恋人の聖地」の認定を記念したイベントが6月29日(日)に開催されます。

内容は、以下のとおりです。

14:00 記念モニュメントの除幕式
14:30 恋人の聖地で出逢う恋~えひめの独身男女交流会~
15:00 シーサイドウエディング(本物の結婚式)
16:00 「シーサイド公園の中心で愛をさけぶ」
      大声・感動大賞決定戦
17:30 SUNSET LIVE in 恋人岬

その他、記念グッズの販売など盛りだくさんのイベントになっています。

チラシは、コチラから

yyaeyay.jpg
オリジナルステッカー

カップルはもちろん、伊予灘に沈む夕日を見ながら「切な系」のラブソングを聞きに、ふたみシーサイド公園を訪れてみてはいかがですか。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 松本 宏)

八幡浜旬彩市に行ってきました

八幡浜市で定期的に行われる「やわたはま旬彩市」と呼ばれる地域特産品を販売するイベントを視察しました。

p1010207.JPG

これは八幡浜市の新町商店街内の「新町ドーム」と呼ばれる施設で、毎月1回第3日曜日に開催される地元の直販市です。

p1010206.JPG

舞たうん96号にも登場したYGP(八幡浜元気プロジェクト)のみなさんから、「一度遊びにおいで」という熱烈なコールを受けましたので(ただ、私がのぞいてみたかっただけということもありますが)、訪問いたしました。

p1010208.JPG

じゃこてんがかなり激安な値段で販売されていたり、地元の新鮮な野菜や手作りの作品が販売されているなど、なかなか多くの人たちで賑わっていました。

このような商店街をつかった地元特産品の販売市というのは、最近どこの商店街でも活性化策のひとつとして取り組まれているようで、私の出向元の宇和島市の商店街でも日吉夢産地さんの特産市などが定期的に行われており、多くの人たちでにぎわっているようです。

ただ、それもその市場が開設されている時だけは、比較的商店街を訪れる人が多いのですが、そうではないときは人もまばらで閑散してしまっている、というのも商店街の現状のようで、これは愛媛に限ったことではなく全国的な課題と言えるようです。

だからといって私がその課題解決に対する術を持ち合わせているわけでないので、ここでは2月に視察研修で訪れた大分県佐伯市で、教育委員長をされている宮明さんからうかがった「商店街活性化のお話」をご紹介いたしましょう。

・コンセプトのあるまちづくりを。
 佐伯市に限らず地域の連帯性が弱くなっている中、特に商店街は希薄だと感じます。そんな中で郊外にショッピングモールができて人気が出てお客がとられるのは当たり前で、それはショッピングモールにはコンセプトがしっかりとあるからだ。ショッピングモールはお互いの顔が見えるという点では弱い部分であるが、そういったお互いの顔が見えるショッピングモールができたら商店街はとても勝つどころか生き残ることすらできないだろう。
 また、商店街の成り立ちは自然発生的にお店をたちあげており、商店街としてのコンセプトがあるわけではなく、現在多くの商店街がシャター街となっているのは、玉石混交のお店があるからだと言える。
 であるから、言い換えればシャッター街となった今がチャンスともいえる。コンセプトをもった商店街をしっかりとつくることができれば、かならず商店街が生き残ることができるともいえる。
 自分の店は薬局だが、自分の両隣3軒がシャッターがおりていたお店となっていたので、友人などのツテを使い自己努力で自分の両隣の空き店舗に地主を説得して、友人の医者に整形外科医院と眼下医院を開業してもらった。そうなると医薬分業だから自分の店にも利益がでるようになった。
 そして、そのもうひとつあいていた空き店舗にはその両隣の医院の待合室ということでスペースを設けて、患者や住民たちの交流の場をもうけた。こうすることによりコンセプトを持った商店街づくりができるようになっていった。
 きっとコンセプトのある商店街づくりとはこういうことなのだろうと思う。

「ピンチはチャンス」といいますが、シャッター街となった商店街を地域衰退の象徴として憂うだけでとどまるのか、あたらしい商店街づくりのチャンスととらえるのか、そのあたりが「まちおこし」を行うための分水嶺といえるかもしれません。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)