舞たうんvol.93でも紹介しておりますカードゲーム「ぎょショック」を、昼休みを利用して研究員同士で実践してみました。
※これが「ぎょショック」です。
この「ぎょショック」とは、愛媛大学と愛南町が協力して行った「ぎょしょく教育」のプログラム開発の中で生まれたカードゲームです。このゲームを通して、子ども同士、また大人も一緒に楽しみながら、地元の水産物と水産業をまなび、健康で豊かな食生活の実現を図ろうというねらいがあります。
すでに実践している愛南町の子どもたちからは、「魚の旬の季節や食べ方がわかった」とか「いろいろな魚の種類がわかった」などの感想が聞かれ、好評だったようです。
さて、「ぎょショック」を実際にやってみた研究員の感想は、
・何回もゲームを続けることにより、楽しみながらカードにかかれている言葉の意味を理解し、自然と「ぎょしょく」について学習することが出来るのは非常にユニークである。
・「カツオといえば高知」というイメージがあったので、このカードを使って愛南町のカツオの水揚げ高が四国一と知って驚いたこともあり、愛南町のPRにもつながる。
・大人が「ぎょショック」と言うのはちょっぴり恥ずかしい(笑)
といったものでした。
総じて、こういうカードゲームを利用した食育活動は非常に子どもたちにも受け入れやすいのではないでしょうか。小学校の総合学習や公民館などで実施する「お魚教室」あたりでやってみると効果が大きいかもしれません。いずれは大会などを開催して普及していけば、「ムシキング」に続く愛媛発の世界規模の新しいカードゲーム文化が生まれるかもしれません。興味のある方、ぜひ、お試しあれ。
お問合せ先は、愛南町ぎょしょく普及推進協議会(事務局:愛南町役場水産課:0895-72-7312)まで。ぎょショックカードそのものについては愛媛大学が窓口となっているようです。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)
現在、お中元商戦が真っ只中である。県内のデパートをはじめとするギフト関連の商店でも、さまざまなカタログギフトが店頭に並び、お中元商戦が花盛りとなっているようで、今年のお中元の品物の流行は「身体に優しい、安心、安全素材」といったものだそうである。
このお中元の「中元」とは、中国の道教の教えに由来するもので、「三元(上元・中元・下元)」のひとつとして、旧暦の7月15日のこと(上元は1月15日、下元は10月15日)をさす。
もともとの道教の教えでは、中元に贈り物をする風習はないのだが、日本に入ってきてからのちに、仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の風習とまざり、「中元は死者の霊を供養する日」となり、江戸時代以降は中元に親類や知人が往来し、盆の礼として贈り物をする風習が生まれ、今日の「お世話になった人に贈り物をする習慣」へ変化したそうである。
さて、お中元に限らずこういったお世話になった人への贈り物を選ぶ際に、「美容」「自然」「癒し」「遊び」「健康」などのテーマにした「体験」を商品にした「体験型カタログギフト」が注目されているらしい。「モノ」よりも「思い出」という人々のライフスタイルの変化が見て取れるといえよう。
この体験型ギフト、愛媛県内ではパラグライダー体験や、温泉体験などの「体験型カタログギフト」があるようだが、まだまだギフトメニューとしてはそんなに多くはないのが現状のようである。
ただ、たとえば「えひめGTナビ」のHPをみても、愛媛県内でもさまざまな体験型観光メニューは用意されている。そのあたりから見ても、これらのメニューを有効に使えば「体験型ギフト」にすることは十分に可能のような気がする。
「スローな国、えひめ」(勝手に筆者がつけたキャッチコピーなのでほかでは通用しないが)としては、このあたりに「地域活性化」のためのヒントが意外と隠れているのではないかと思っていたりもするのだが、みなさんはいかが思われるだろうか。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)
去る7月13日(金)、徳島県三好市で開催された「移住交流4県担当者会」に同行させていただいた際、西祖谷の古民家宿「空音遊(くうねるあそぶ)」を地元徳島県と三好市の担当者にご案内いただき、訪問しました。
ご主人は千葉県のご出身で、リバーカヤックインストラクターとして訪れた大歩危の大自然に魅せられ、3年前にIターンされたそうです。
「食事なし、※風呂なし」の素泊まりの宿ですが、築80年の古民家の風情と、眼下に広がる景色は雨にもかかわらず壮大でした。
(※宿泊&周辺の温泉を利用するプランもあります。)
所有する土地内には何本か小川が流れているらしいのですが、まだ1本目までしか行ったことがないとのことで、スケールの大きな田舎暮らしをされていたことが印象的でした。
また空音遊では、日常の生活を体験することで地域文化に触れてもらおうと、所有する資源や地域資源を利用した体験プログラムも用意されており、ここに来れば年間を通して祖谷の魅力を体験することができます。
利用者はリピーターも多く、四国内外のほか、多い年は全利用者のうち4割~5割を外国人が占めるそうで、年間1,000人程度が利用されるとのことです。
移住した当初は地域住民との交流の機会も少なかったそうですが、地域行事などで積極的に交流を図ることで次第にご主人の決意を地域の方が認めてくれるようになり、現在では敷地内の草刈りや野菜の世話なども進んでしてくれるようになったそうです。
また不要になった生活用品や農機具を譲っていただいたり、時には夕食に呼ばれたりと、温かいご近所付き合いの様子もお伺いしました。
帰り際「たまには旅行など違う所に行きたくなりませんか?」との問いに、ご主人の「県外へ旅行に行っても、すぐ(ここに)帰りたくなる。帰って来るとほっとする」との一言。縁あって移住されたこの土地を心から愛し、地域の方と交流しながら自分のペースで田舎暮らしを満喫されている充実感が伝わってきました。
古民家宿「空音遊」のホームページはこちら。(ブログもあります。)
(文責 まちづくり活動部門 研究員 坂本耕紀)
昨日(12日)、当センターが実施している平成19年度まちづくり活動アシスト事業の助成団体である「久米ハイジの会」の役員会に参加しました。
毎年8月第3日曜日に開催している「来住廃寺祭り」のプレイベントを、8月4日(土)に開催するために集ったものです。プレイベントの内容は、久米地域の情報誌「ふれあいTOWN久米」で次のように紹介されています。
《久米再発見》
来住はいじ祭りプレイベントのご案内
「シタール演奏の夕べ」
8月4日(土) 開場:午後6時半 開演:午後7時会場
場所:八幡神社社殿
シタール奏者アタサによるシタール、竹笛などゆったりとしたインド楽器の音色に耳を傾けてみませんか。さざ波のように寄せては返すメロディーは輪廻(りんね)を思わせ神秘的な世界へ導く余韻を残してくれることでしょう。
シタールは十四世紀頃、北インドで生まれた弦楽器です。インドの古典音楽用の楽器として発達しました。約130センチもの大振りな本体に、精巧な彫刻、装飾が施された存在感のある姿は、かつてのインド宮廷文化の栄華を誇るようです。ビートルズに影響を与えた楽器でもあります。楽器としての特徴は共鳴弦が生み出す『音のゆらぎ』です。演奏は必ずこのゆっくりとしたゆらぎの音から始まります。
サンギート・アタサ(本名 森岡啓純ひろずみ)シタール奏者。インドの言葉でサンギートは「音楽」、アタサは「魂」という意味です。大学時代にインドを旅し、伝統的な古典楽器シタールに魅せられ、世界各地で音楽修行を続けながら、西洋、インド、日本の音楽を溶け合わせた新しい祝祭の音楽を創造してきました。現在は活動拠点を生まれ故郷の高知に移し演奏活動を続けています。
〔友情出演〕 加納昌代さん(今治在住) スイスの楽器〟ハン〝の奉納演奏
【お問合わせ 久米はいじの会 090―3989―1072(福岡)】
地域住民の方々に、久米地域の再発見、ふるさとへの誇りと愛着を深めてもらうことを目的に発足した久米ハイジの会。これまでも地域資源を最大限に活用し、様々なイベントを開催してきたそうです。
夏の一夜、神社を舞台にした神秘的な世界に漂ってみませんか。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 松本 宏)
7月11日(水)、東温市見奈良にある「利楽」において、愛媛県公民館連合会主催の公民館職員研修会が開催され、その研修のうち、「コミュニケーションの取り方」という講義に、松本と谷本の両研究員が参加いたしました。
この講義は、公民館職員の地域住民とのコミュニケーション能力の向上を図ることを通して、公民館活動をより効果的にすすめていくことを目的に実施され、NHK松山放送局の白鳥哲也アナウンサーが講師として招かれました。
講義では、研修で電話の応対であったり、接遇のマニュアルなどをいくら実践したとしても、まずは「利用者側の立場になって考えるということを徹底してできるか」ということが重要であると述べられ、「相手の立場になって考える」ということはサービス業の基本であり、それをいかにできるのか、それが大事だと述べられていました。
また、公民館が地域づくりの拠点という役割を担っていることから、そこに勤務している職員は「地域住民のために自分は何ができるのか、どうしたら利用者が満足してもらえるかを考えて、精一杯働くことが最低条件」であり、そうしないと住民は決して公民館を頼りにしたりはしないし、精一杯働いている職員がいるところは、自然と住民とのコミュニケーションはとれているといってよいのではないかとも述べられていました。
白鳥さんのお話の中でもっとも印象的だったのは、ご自分の「イケメン連」の活動を通してのお話で、地域づくり活動を行う上において興味深いものが多く、たいへん参考になることが多かったのですが、ここでは都合によりお話しされたすべてについてご紹介できませんので、 少しだけイケメン連の活動エピソードをご紹介いたします。
当センターが発行している雑誌「舞たうん」でも「酒文化と地域のかかわり」ということで特集をしたことがありますが、愛媛県の全国新酒鑑評会の金賞の受賞率は全国でも山形県に次いで2位(H15年)であるにもかかわらず、県民の日本酒に対する関心が高いとはいえず、居酒屋などにいっても他県のお酒ばかりが並んでいるところが多いのが現状のようです。
また、愛媛のお酒をつくっている蔵元は規模が小さいところが多く、地元の人が地元のお酒を消費せずに、大きな蔵元の他県のお酒を消費することは地元の蔵元にとってはかなり死活問題であり、以下のようなことが予想されます。
蔵元がなくなる→米を使わない→田んぼが荒れる→美しい棚田の景観も消える(農村文化の荒廃)→地域の衰退
この流れの通りに必ずしもそうなるとはいえませんが、その可能性がないと否定はできません。
そのことに危機感をもった「イケメン連」のみなさんは、「愛媛の地酒は旨い」ということを多くの人たちに知ってもらいたいということから、内子町の亀岡酒造さんの協力のもと、オリジナルのオンザロック専用の日本酒「好漢(イケメン)」をプロデュースしたそうです。
このほかにも、松山市の銀天街にある円光寺の伝統料理「風呂吹き大根」をもとに、商店街と生活改善グループとの協力により、「風呂吹き大根のお接待会」を実施し、伝統料理を通して自分たちの住む町の食文化に触れる機会を提供し、今では松山の冬の風物詩にもなっているそうです。
ちなみに、おまけ情報ですが、正岡子規は、
「風呂吹きを 喰ひに浮世へ 百年目」
という句を残しています(風呂吹きは冬の季語)。
このような地域素材を活かした「イケメン連」の取り組みを通して、『公民館は地域に根差した施設であり、自分たちの公民館のある地域にも、このような素材は絶対に眠っているわけで、それを磨き上げて、上手に住民に伝えていくかということこそが、公民館職員に求められていることではないだろうか』と述べられていたことがたいへん印象的で、地域づくり活動の原点を教えていただいたように思います。
このほかにも、マスコミ関係者から見る地域情報の発信の重要性についてお話され(お話しの内容については若松進一さんのブログの2007年7月11日の日記の内容と非常に似通っていましたのでそちらを参照してください)、たいへんユーモアあふれるお話であったこともあり、研修に参加した公民館職員もたいへん参考になることが多かったのではないかと思われます。
なお、イケメン連の活動についてのお問合せはこちらまで。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)