本年から始まった団塊世代の大量退職に伴い、本県への移住交流を促進するための体制整備、移住者等の受け入れによる地域活性化策の検討を目的に、来る7月19日(木)午前中、えひめ共済会館において、えひめ移住交流促進協議会の設立総会が行われます。
また午後からは、月刊「田舎暮らしの本」編集長として、地域移住に造詣の深い佐藤信弘氏を講師にお迎えして、当センターとえひめ移住交流促進協議会の共催による講演会が開催されます。
(講演会の詳細はこちら)
これまで愛媛県では、農業・観光分野それぞれの目的に応じた移住交流事業を実施していましたが、えひめ移住交流促進協議会の設立を機に窓口を一本化することで、より効果的・効率的な移住施策が展開できる体制が整備されます。
また愛媛県と協働して移住交流の取組みを行っている当センター内に、移住希望者に対する情報提供や市町への取次ぎなどを一元的に担う「愛媛ふるさと暮らし応援センター」を設置するため現在準備を進めるとともに、センターの設立にあわせ公開予定の「えひめ移住支援ポータルサイト(仮称)」構築のため、各種の情報収集等を行っています。
移住を計画されている方にとって、「えひめに来てからの自分のライフスタイルはどんな感じだろう?」ということは非常に興味のある情報です。ポータルサイトでは既移住者の一面を切り取った情報だけでなく、日々の暮らしや地域の出来事など、継続した情報発信が大切であると考えており、個人のホームページやブログとのリンクも考えています。
上記のような情報をご存じの方がおられましたら、お手数ですが当センター(まちづくり活動部門 坂本)まで情報を提供いただきますようお願いします。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 坂本耕紀)
7月7日(土)、愛南町(旧城辺町)蓮乗寺地区にある小西酒造をメイン会場に、「街道灯籠祭り 酒蔵の道をゆく」が開催され、この事業は当センターの「まちづくり活動アシスト事業」の助成対象事業となっていることもあり、事業実施の様子を取材をしてまいりました(主催:同実行委員会)。
この事業は、6月9日(土)に行われた「海街道をゆく」に引き続いて行われた街道灯籠祭り愛南の第2弾のイベントで、8月25日には第3弾として愛南町山出地区を会場に「街道灯籠祭り 山街道をゆく」が開催される予定です。
※小西酒造外観
なお、会場となった小西酒造は、愛南町に古くからある造り酒屋で、創業は文久3(1863)年という150年以上もつづく老舗の酒屋さんで、「南郡(なんぐん)」と呼ばれる日本酒も醸造されています。めったに入ることの出来ない酒蔵の中を見学できるということだけでもある意味貴重なウォッチングになります。
※ジャズコンサートの様子
※灯籠設置の様子(ピンボケ気味ですがご容赦を)
この日のイベント内容としては、小西酒造付近の蓮乗寺(れんじょうじ)川沿いを灯籠で照らし、酒蔵ではジャズピアノコンサート、酒蔵の前では「夜市」というスタイルでした。しかも、浴衣で来ると夜市で特典があるということで、たくさんの浴衣姿の方を見ることができ、七夕の夜にちょっとおしゃれな、そしてたいへん風情のあるイベントだったように思います。
ただ、この日もあいにくの雨となってしまい、私(=谷本)が土日に出張に行ったイベントのうち、そのほとんどが雨になるというジンクスがうまれつつあり、関係者のみなさんご迷惑をお掛けいたしており、一部準備が予定通りに進行していない面もありましたが、イベント本番時には関係者の努力もあってか(?)雨もあがって、予定通り無事にイベントも開催できたようです。
蓮乗寺川沿いの多くのポイントでカメラを構えたアマチュアカメラマンが見受けられ、「ぜひ来年もやってほしい」と主催者にさっそく聞いている人もおられたようでして、「自分たちの住むところにあるものをもう一度見直す」というこのイベントですが、なかなか好評なイベントになっていたのではないでしょうか。何はともあれ、関係者のみなさんにおかれましては、雨の中の作業、たいへんおつかれさまでした。
このイベントについてのお問合せ先は、同実行委員会(地域交流センター プラザ城辺内:TEL&FAX 0895-73-2288)まで。詳しくはコチラのサイトも参照してください。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)
7月5日(木)に新居浜市において、フォーラム「未来への鉱脈~近代化遺産・ルネサンス~」が開催されるということで、栗田所長とともに出席いたしました。このフォーラムは、全国近代化遺産活用連絡協議会(以下、「全近」とします)と新居浜市が主催して開催したもので、近代化遺産を有効に活用していくために行政や企業、市民といったさまざまな立場でどのようにしていったらよいかということについて提言がなされました。
※会場となった新居浜市民文化センター(ちなみに、舞たうん93号で紹介した新居浜協働オフィスはここにあります)
まず、近代化遺産の語句の意味について簡単に説明しますと、
近代化遺産とは「幕末期から第二次世界大戦期までの間に、近代的手法によって建設され、わが国の近代化に貢献した産業、交通、土木に関係する遺産」(全近HPより引用)のことで、建造物と一体となって価値を形成している土地や設備、機械といった付属的なものについても近代化遺産に含まれるようです。
この「全近」とは、「近代化遺産の所在する市区町村、都道府県のほか、会の趣旨に賛同する企業、NPO法人、任意団体、個人などの幅広い会員がつくる日本で唯一の近代化遺産の全国ネットワーク組織」(同会HPより引用)で、現在は全国51の自治体が加盟し、愛媛県内で加盟しているのは「別子銅山」という産業遺産をもつ新居浜市だけです。
このフォーラムでは、まず住友史料館の末岡副館長さんが「近代化遺産の歴史的意義」と題して基調講演を行い、文化的な価値を高めることを通しての「地域づくり」を行うことの重要性を指摘されていました。
基調講演に続いて5名のパネラーによる「近代化遺産を守り、価値を伝えていくために」をテーマにしたパネルディスカッションがあり、新居浜市が現在行っている産業遺産を活用したまちづくりの取り組みを中心に、京都府舞鶴市の赤煉瓦を活かしたまちづくりの取り組みなどが紹介され、「歴史文化を基調とした総合的なまちづくり」を行うことの重要性を述べられていました。
さて、そのパネルディスカッションにおいて新居浜市の企画部長さんより新居浜市における産業遺産を活かす「まちづくり」に関する事業を紹介していくお話の中で、たいへん特色のあるものがありました。それは、
①「別子銅山文化遺産課」という単独の課を今年の4月から設置
②すべての市職員を対象にした「産業遺産」に関する研修事業(産業遺産となる前にそこに住んでいた人や産業遺産の研究をされている方の講話が主な内容)の実施
というものです。新居浜といえば別子銅山が代名詞と言われるようなまちづくりを目指すんだという新居浜市の意気込みが感じられるものだったように思われます。
なお、財団法人えひめ地域政策研究センターでは、「愛媛県内にある近代化遺産」を収録した冊子「愛媛温故紀行」を発行しております。興味のある方はこちらをご覧ください。また、冊子の購入を希望される方は最寄りの本屋さんでお買い求めが出来ます。定価は2,500円(税別)となっております。
※愛媛温故紀行
この新居浜市における取り組みについてのお問合せは、新居浜市役所(担当:別子銅山文化遺産課 (0897)65-1236)まで。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)
6月末に名古屋で開催された地方シンクタンクフォーラムに参加してきました。講演や事例発表など盛り沢山で、とても充実した内容でした。基調講演では「愛・地球博の成果及び経験からみた地球の活性化」と題して(前)財団法人2005年日本国際博覧会協会の事務局長 中村 利雄氏から愛知万博の時の経験や教訓などについてお話がありました。
万博のような大きなイベントは、用意周到な計画のもと万全な準備、体制で開会の日を迎え、トラブルが発生することなど考えられないのかと思っていました。
しかし現実は、かなり実験的な試みや創造的なアイデアがたくさん取り入れられたり、前例のないことも多いので、たびたび予期せぬトラブルに見舞われたとのことで少し驚きました。それらを克服したのは、“日々改善”を続けた現場の力だったそうです。それぞれの職員が、状況に応じた柔軟な対応をし、またモティベーションを高く持ち続けたことが、成功の一番の要因だったようです。
日々改善⇒TQC⇒トヨタを連想しました。
万博は、新しいことに挑戦するところに意義がありますから、トラブルは付きものです。2010年の上海万博は、史上最大規模になるらしいですから、トラブルもあるでしょうが、日々改善し、成功させてほしいと思います。
(文責 企画研究部門 研究員 河野 洋)
去る7月3日(火)、4日(水)の2日間、総務省と(財)過疎地域問題調査会の共催による「交流居住研修会」が東京都千代田区の都市センターホテルで開催され、当センターから小方主任研究員と坂本が参加しました。
この研修会は、都市と田舎との地域間交流に関心のある自治体等の職員の研修と、情報交換を目的として開催されたもので、全国各地から約180名が出席しました。
※主催者挨拶 末宗徹郎 総務省過疎対策室長
基調講演① 「遠野市における交流・定住の取り組みについて」
全国第1号の認可を受けた「どぶろく特区」の取り組みを通じた交流人口の拡大、定住促進組織「で・くらす遠野」による、市民と行政が一体となった受入態勢構築の取り組みについてご説明をいただきました。
基調講演② 「新しい地域戦略と交流ビジネスモデルの研究」
ビジネスモデルの視点から見た移住・交流について、アメリカで人気のサマースクールを日本流にカスタマイズした”シニアサマーカレッジ”の事例をご説明いただきました。
サービス業として成立するには、一過性のイベントとして終わらせない、消費者をリピートさせる仕組みを構築することが大切であり、なぜ移住交流に取り組むのかという目的を明確化するために、共通言語としてのワンフレーズを持つことの重要性をご説明いただきました。
また、単なる国民運動だけでは移住交流を定着させることはできず、新しいビジネスモデルとして儲けるシステムを構築しなければ一過性の取り組みで終わってしまうとも述べられました。
※篠崎 宏 ㈱ツーリズム・マーケティング研究所主任研究員のご講演
この後、交流居住の取り組みについて、総務省過疎対策室、ポータルサイト「交流居住のススメ」運用について(財)日本交通公社からそれぞれ説明が行われました。
翌日4日(水)は小方主任研究員が①「体験ツアー・お試し暮らしの実施を通じた取組み」、坂本が② 「空き家を活用した交流促進の取組み」についての事例発表を拝聴しました。
タイトルは次のとおりです。
① 「たかが100人、されど100人の挑戦」
徳島県美波町 伊座利の未来を考える推進協議会
「交流居住推進プログラム事業の実践から」
山形県小国町 政策企画室
「白浜町日置川地域が進める交流居住」
和歌山県白浜町 日置川事務所地域振興課
② 「空き家活用による農山村滞在と定住の促進」
島根県江津市 農林商工課
「農村振興のための空家再生活用ネットワーク構想」
茨城県常陸太田市 里美ツーリズム探究会」
「山梨市定住促進事業」
山梨県山梨市 総合政策課
今回の出張では、移住交流をご担当されている各県担当者の方と意見交換の機会があり、それぞれの地理的条件等は異なるものの、愛媛県での移住促進を促進していくうえで参考となるお話が多々伺え、非常に有意な研修会でした。
※この研修会について詳しくお知りになりたい方は、小方または坂本までお問合せ下さい。
平河町にある研修会場(都市センターホテル)の近くには都道府県会館があり、愛媛県東京事務所打合せの後、同会館15階の北海道移住情報センター(入口付近のみですが)を撮影してきました。
また有楽町にある「ふるさと情報プラザ」へも立ち寄りました。
「田舎暮らし情報」コーナーには全国の移住情報パンフレットが所狭しと並べられていました。
この情報プラザの催事として、今月は”和テイストで涼を呼ぶ”をテーマに各自治体が特色あるPRを行っており、昨日は滋賀県高島市が出展中でした。
なお、来る7月23日(月)~27日(金)は愛媛県今治市「夏の肌、いたわりのタオル~いまばりタオルブティック~」と題して出展されますので、ご興味のある方は立ち寄られてみてはいかがでしょうか。
その後新橋へ移動し、愛媛県人としては外せないアンテナショップ「せとうち旬彩館」へも立ち寄り、2日間の東京出張を終えました。
終わりに写真をもう1枚。
羽田空港第2ターミナルに到着し発見したのは北海道中標津町の広告です。
目を引くキャッチコピー、シンプルながらも印象に残るもので、まさに研修会で学んだ”ワンフレーズの大切さ”を感じる一幕でした。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 坂本耕紀)