愛媛新聞の今年のえひめの10大ニュースのひとつに、松前町に誕生した大型ショッピングセンター「エミフルMASAKI」のことが掲載されていましたが、郊外に大型ショッピングセンターができたいう話題がでますと、ほとんど対になっていわれるのが「中心市街地活性化」という言葉でしょうか。この「中心市街地活性化」、全国どこでも深刻な悩みを抱えていることは間違ないでしょう。
松山大学では「まちづくりと中心市街地活性化の道を探る」をテーマに、コンパクトシティ研究の第1人者である海道清信名城大学都市情報学部教授をお招きし、講演会とパネルディスカッションを下記のとおり開催することとなりました。
行政関係者や商店街関係者など、中心市街地の活性化やまちづくりに興味のある方、参加してみてはいかがでしょうか。
記
日 時 2009年1月10日(土) 13:00~16:30
場 所 松山大学821番教室
テーマ まちづくりと中心市街地活性化の道を探る
内 容
①基調講演
「豊かな暮らしをささえ魅力ある都市のかたちを考える」
名城大学都市情報学部教授 海道清信
②パネルディスカッション
海道清信(名城大学都市情報学部教授)
松本啓治(松山市坂の上の雲まちづくり担当部長)
門松 功(株式会社日本政策投資銀行松山事務所長)
日野二郎(株式会社まちづくり松山代表取締役)
丸山 武(株式会社ナモシプロジェクト代表取締役)
上杉志朗(松山大学経営学部准教授)
進行
吉岡洋一(松山大学経営学部教授)
お問い合わせ先
松山大学総合研究所 089-926-7266
入場 無料
(財団法人えひめ地域政策研究センターからのお知らせ)
海外から日本への投資促進を目的とした会議が、平成21年1月30日に松山市で開催されます。
松山市には太陽電池製造装置で世界的なシェアを持つ株式会社エヌ・ピー・シーがあり、市でも松山サンシャインプロジェクトを展開していますが、その関係からかドイツの太陽光パネル製造企業キューセルズが来県します。
他にもインドのIT企業、アメリカのエンターテイメント企業、オーストリアのジュエリー企業が事例発表を行います。
同時通訳付きの会議なので、英語耳のブラッシュアップにも使えるかも?
会議詳細は次のとおりです。
1 日時
平成21年1月30日(金) 14:00~16:30
2 場所
アイテムえひめ 4階 大会議室(松山市大可賀2-1-28)
3 申込み・その他
http://www5.cao.go.jp/invest-japan/jp/
(財団法人えひめ地域政策研究センターからのお知らせ)
えひめ地域づくり研究会議フォーラム2009
「集い・学び・紡ぐ 愛媛の地域づくりの未来」
~全国大会の成果と課題を見つめながら~
「きなはいや伊予の国~広げよう地域づくりの輪~」をテーマに開催した第26回地域づくり団体全国研修交流会愛媛大会は、全国から多くの地域づくり人が集い、盛会に幕を閉じました。
10月に開催された第31回全国町並みゼミ卯之町大会も含め、大会の成果と今後の地域づくりの課題について考えるフォーラムを開催します。
「集い・学び・紡ぐ 愛媛の地域づくりの未来」をテーマに、地域づくり人が一堂に集うこのフォーラムが、地域づくりに関する情報の交流と交換、学習と研究の場となり、明日の地域づくりに繋がるネットワークができればと思います。
日 時 平成21年1月24日(土)13:00~
場 所 ウェルピア伊予
内 容
12:30 受 付
13:00 開会行事
13:10 第31回全国町並みゼミ卯之町大会報告
13:40 休 憩
13:50 分科会(3分科会×5団体)
テーマ① 多様な地域資源を活かした地域づくり
テーマ② 体験・交流事業を核とした地域づくり
テーマ③ 景観・文化遺産を活用した地域づくり
15:50 休 憩
16:05 地域づくり鼎談 「地域の力を高める」
パネリスト
若松 進一(愛媛大会実行委員長)
小林 詳子(宇和島市商工観光課地域再生マネージャー)
福田 京子(鳥取県地域づくりセンター事務局長)
17:30 閉会行事
18:00 交流会 ウェルピア伊予:石鎚
20:00 閉 会
参加費 参加費 1,000円 交流会費 4,000円
主 催 えひめ地域づくり研究会議
共 催 (財)えひめ地域政策研究センター
第26回地域づくり団体全国研修交流会愛媛大会実行委員会
詳しくはこちらのチラシをご覧ください。
(財団法人えひめ地域政策研究センターからのお知らせ)
去る12月13日に愛媛大学で開催されました「観光まちづくりコース開設記念シンポジウム」に参加してきました。
これは愛媛大学法文学部に来年度から設置される「観光まちづくりコース」を記念して開催され、県内の観光関係者やAO入試に合格した高校生などがあつまり、これからの観光とまちづくりの在り方について考え合いました。
冒頭、愛媛大学の小松学長や愛媛県の加戸知事(副知事代読)、松山市の中村市長よりご挨拶があったのち、広島大学大学院総合科学研究科准教授のフンク・カロリンさんが「観光には、なぜ、まちづくりが必要なのか?」という演題で講演をしていただきました。
フンクさんは、もともと松山市とも縁があり、松山市の姉妹都市であるフライブルク市の出身で、留学生として松山にも住んだ経験があり、日本と海外との比較において、おもに瀬戸内海をフィールドに「観光とまちづくり」の関係についてお話をしていただきました。
ドイツの場合、地域計画や都市計画の線引きはかなり厳しく、その結果、集落と建物を一切たてない地域がうまれ、町と町との境がはっきりしているそうですが、日本の場合は、道路沿いに集落や店舗が立つということで、町と町との間にも道路沿いに建築物がたっているということが多く、境があいまいになっているところが多いのが現状です。
また、山村や農村であってもドイツの場合は規制が敷かれていて、景観にあった建物しか建てることが出来ないようになっているため、ドイツは緑が多く、景色がきれいといわれる所以であり、ドイツの場合はメリハリのあるはっきりした都市・農村風景を構成していることが特徴だそうです。
いっぽう日本の場合は、これまで法規制がありませんでしたが、平成16年に景観法が制定され、法律よりも地方自治体が条例によって法規制が強めることができるようになったため、これからどう「景観まちづくり」を行っていくか、地方自治体が求められるようになりました。
たとえば内子町のように町並みから村並み、山並みへという動きや、飛騨高山のように町並み保存からバリアフリーの福祉都市のまちづくりへという動きもあるなど、これからは地方の独自性=カラーが問われるようになってきていると述べられていました。
最後にまとめとして、観光まちづくりの目的は「場所に力を創り、維持し、演じること」であり、その場所がもつ「力」こそが人を引き付けることになり、そこが観光資源となります。また、その場所がひきつける力の要因はさまざまであり、裏返すと、いかに人を引き付ける力をもつ場所を創り、維持し、演じることができるか、ということが観光まちづくりの意義と言えると述べられていました。
講演会終了後、観光関係者によるシンポジウムも行われ、愛媛大学の藤目教授のコーディネートのもと、江藤訓重さん(星野村副村長)、奥村武久さん(前愛媛県観光協会長)、河内紘一さん(内子町長)、陶山哲夫さん(小豆島ふるさと村公社専務理事)、松田清宏さん(JR四国代表取締役社長)、宇都宮千穂さん(愛媛大学講師)がパネリストとして登壇し、「わが四国は美しくーまちづくりから観光へー」と題したシンポジウムが開催され、討議が行われました。
シンポジウムではそれぞれが活発な意見を述べられていましたが、江藤さんの財団法人阿蘇地域振興デザインセンターの事例を紹介しながら、「これからは地域づくりをやっているコーディネーター役がいる地域が強く、都会からそういった能力のある若い人たちを招き、その人たちが食べていける環境を用意さえすることができれば、これからの地域づくりに地域は発展する可能性が大いにある」という言葉と、松田さんの「住みたい地域(誇れる地域)」と「訪れたい地域」との調和をいかに図るか、そこには住民合意が必要であり、そこをうまくコーディネートできる存在がいるかどうか、そこに地域力を高める要素があるのではないかという言葉が印象的でした。
最後に、AO入試で合格し、来年度入学予定の高校生2名の方からの決意発表がありましたが、お二人ともとてもすばらしい発表だったように思います。4月からの大学生生活を楽しみながら地域発展のための研究努力に励んでください。これからの活躍を大いに期待しております。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)
12月12日(金)、第28回政策研究セミナーが県立美術館講堂で開催されました。今回は富士宮やきそばを地域ブランドに確立した渡辺英彦氏(富士宮やきそば学会会長)をお招きし、「B級ご当地グルメで街おこし」という演題で講演していただきました。
渡辺さんの軽妙な「おやじギャグ」と語り口により、会場からは笑いも飛び出すような和やかな雰囲気のもと、富士宮やきそばによるまちおこしの体験談から来る、地域ブランド確立に向けたお話を聞かせていただきました。
「ものづくり」から「ものがたり」へ。
地産地消など、全国各地でおいしいものはいっぱいありますが、それをまちおこしの道具として売り出す時には、大手企業のように広告宣伝にお金をかけることができるのであればいざ知らず、そういう宣伝費用がない中で、どうやってPRするかといえば、マスコミに取り上げてもらえれば、宣伝費用はタダです。となれば、マスコミが取り上げてもらいやすいようにしなければなりません。
味がおいしいのは前提として当たり前で、あらたなものでまちおこしをしようとしたら、マスコミも最初は物珍しがってとりあげてくれるかもしれませんが、継続してマスコミは取り上げてくれません。そこに物語やストーリー、いわば話題性がないと、取り上げてくれないわけです。
「ものづくり」の世界は専門家の世界であり、作る側の論理だけでは「もの」が売れないからです。同様に、まちづくりの世界も行政や商工会議所など専門化されてきており、既成概念にとらわれてしまいがちです。ですから、制約があります。
したがって、「もの」が売れるようにする、もしくは「まちおこし」に成功するためには、「ものを売るため」の、「町を売るため」のストーリーづくり、話題作りにシフトすべきで、そこには既成概念にとらわれない素人の発想が必要となるともおっしゃられていました。
もちろん「ものをつくる人」、「まちをつくる人」は必要ですが、それを「うまく売る人」という、コーディネーターともいうべき存在をもたなければ地域ブランドはつくれないということなのでしょう。この話は若松進一さんがお話しされる「夕日のまちづくり」と同じだなあと思って聞いておりました。
興味のある方、富士宮やきそばのまちおこしのすべてがわかる「YAKISOBIBLE(ヤキソバイブル)」と呼ばれる本もありますので、ご一読ください。
(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)