研究員ブログ

日土小学校保存改修工事

八幡浜市立日土小学校(1958年竣工・松村正恒氏が設計)は、歴史的価値を見出され、保存のための改修・改築工事により、今年6月に完成し、8月1日には見学会が開催されました。校舎は、歴史的に貴重な木造モダニズム建築で、建築基準法を遵守した安全な校舎で、教育環境を満足させ、文化財として使い続けることを目標に、行政・市民・建築関係者など多くの人が参加して保存・改修工事がおこなわれました。
今回は、完成した工事を総括しながら、建築物の保存・再生について様々な視点から考える講演会が開催されますので、ご紹介します。
1.講演会名 建築とリノベーション 日土小学校保存改修工事の意義
2.日時   平成21年10月31日(土)13:00~16:30
3.会場   愛媛大学 総合情報メディアセンター(松山市文京町3番)
4.定員   150名(当日受付順)
5.参加   無料
6.内容 第1部 基調講演【講演:日土小学校保存改修工事の意義、講師:鈴木博之氏(東京大学名誉教授)】
     第2部 鼎談【講師:鈴木博之氏(東京大学名誉教授)・青木淳氏(青木淳建築計画事務所代表)、進行:花田佳明氏(神戸芸術工科大学教授)、日土小学校改修改築工事の紹介:和田耕一氏・武智和臣氏(設計担当)】
参加費が無料で、近代建築の保存と継承のあり方を考える良い機会ですので、興味のある方は是非ご参加ください。
(まちづくり活動部門 研究員 武田 昭文)

バイオマスツアー真庭

 10月26日(月)・27日(火)に岡山県真庭市の「バイオマスツアー真庭」に参加しました。岡山県真庭市は、北部に位置し林業の盛んな地域です。2008年には「エネルギーパーク」として経済産業省から指定を受けています。今回は、下記の施設を視察しました。
・銘建工業(株)
①木質バイオマス発電施設
②ペレット製造施設
・勝山健康増進施設 水夢
①ペレットボイラー施設
・真庭バイオマス集積基地
・清友園芸
①農業用ビニールハウスペレットボイラー
・(有)エコライフ商友
①バイオディーゼル燃料製造機
 古くから林業が盛んなこともあり、木質バイオマスの利活用が進んでいる地域でした。また、真庭市には美作三湯の「湯原温泉」、勝山の町並み保存地区など観光地もあり、バイオマスツアーの観光への波及効果を得られるものとなっています。このような取り組みは、新しい情報発信のための手段として、非常に良い方法であると思います。バイオマスとくに木質バイオマスに興味のある方は、参加してみてはいかがでしょうか。
(企画研究部門 研究員 三好進祐)

漢字

 新聞によると、文化審議会の漢字小委員会が開かれ、来年春に「改定常用漢字表」として答申するため「追加される漢字と削除される漢字」を選定しているようです。今回は、民法や刑法などで使用されている「錮」、「毀」など9字を追加候補とし、「諜」など4字を削除候補とした。  
 このなかで、愛媛県の「愛(え)」の訓読みも削除案として選定されている。県名では、大分県の「分(いた)」、神奈川県の「神(か)」などが対象となっている。答申が決定されれば、備考欄に「愛媛(えひめ)県」と注記されるようである。確かに手元にある2冊の漢和辞典を開くと「愛」=「え」という記載はなく、1冊に難読として「えひめ」と書かれている程度であった。時代とともに見直しは必要と思いますが、愛媛県に住む者としては、普通に漢和辞典に「愛」=「あい」=「え」と記載されればと思います。
(企画研究部門 研究員 近藤誠護)

嘘も百回言えば真実となる

かつて、ナチス・ドイツの宣伝大臣であったヨーゼフ・ゲッベルスの有名なセリフ(ヒトラー説など諸説有り)で「嘘も百回言えば真実となる」という言葉があります。これは、例え嘘であっても繰り返し言い続ける事により、誰もが真実と感じるようになるという意味です。

嘘の内容の規模が大きければ大きい程効果があるとされ、プロパガンダ(特定の思想、世論、意識、行動へ誘導する宣伝行為)の天才と称されたゲッベルスの大衆操作の手段として有効に使われていました。

現在も日本や世界各国で同じような事例がいくつも見受けられます。一人一人が真実を見分ける力を身に付ける必要があるのかも知れません。

 

      (企画研究部門 研究員 向井浩司)

地方空港

 先日、久しぶりに名古屋に行く機会があり、松山~名古屋(小牧)便を利用しました。
 小牧空港は、中部国際空港の開港後は、日本航空の子会社のJ-AIRが乗り入れているのみで、機体はビジネスジェットがベースのボンバルディアCRJ200で50人乗りです。需要に応じた機材ということでしょう。空港も県営空港となっていました。
 不況や競争激化の中、航空会社は生き残りをかけて合理化を進めており、その中で不採算路線は縮小、廃止の方向で見直されています。中には就航する航空会社のない空港も出てくるかも知れません。公共投資の見直しなどで地方空港そのものを取り巻く環境も厳しくなっています。地方空港も、今後大きな変化を迎えるのかもしれません。

 [企画研究部門研究員 政木輝彦]