研究員ブログ

ホタルの里

研究員の崎山です☆
しばらくぶりに研究員ブログを投稿してみました。

題名から察するとおり、今回はホタル観賞を行った模様をお送りします。

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通常の観光イベントなどで行われるホタル観賞会は、地元のホタルを保存する個人・団体の方が育てたホタルを野に放ち、一般公開する所も多いのですが、今回私が行ったホタル観賞は自然発生した野生のホタルで、しかも生息場所は(細かい場所までは言えませんが)私の家の近所です。

私の家の周りは、確かに田んぼや畑、海・山があり自然豊かな所?なのですが、住宅などもたくさんあり、生息場所も「ホントにここにホタルがいるの?」という場所です。
というわけで散策開始です。午後10時、天候は少し薄曇り、月もすこし霞がかかっています。

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ホタルの出没場所に到着。

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ホタルと言えば、こんな清流をイメージした人も多いでしょうが、少しうっそうとしています。

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早速、ホタルを発見しました。
始めは数匹ぐらいしか見えなかったのですが、しばらく現場にいて周囲の暗さに目が慣れてくると、光の数がどんどん増え、目前に推計1000匹以上の光の競演が始まりました。

「これはすごい!」と思い、この模様をお届けしようと写真を撮ろうと試みたのですが、私が持っているカメラが小さな家庭用のデジカメなので、シャッターが切れても光量不足で真っ暗。まったく写りません。
う~ん、残念です。
まったくホタルの写真がないのも、どうかと思い、飛んできたホタルを捕まえました。

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拡大するとこんな感じです。大きさは1㎝くらいでしょうか。
手の上でも発光していました。

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形態や発光の特徴を見る限りでは、ヘイケボタルのようです。
ヘイケボタルは日本では、ゲンジボタルと並んで身近な光るホタルで、ゲンジボタルやヒメホタルなどの他の発光するホタルと比べ、発光は余り強くなく、揺れるような光を出しながら飛ぶのが特徴です。現在、数が激減しているそうです。

ただ、私が見た場所のホタルは明らかに発光の光の強さや間隔が違う個体もいるので、ひょっとすると、たまたま捕まえたのがヘイケボタルで単種ではないのかもしれません。

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ホタルがたくさん飛んでいると、やっぱりきれいです。
私の住んでいる地域でも数十年前にはホタルが沢山いたそうですが、自然環境の悪化により激減し、私自身も幼少の頃には見たことはありませんでした。

今回のホタルの発生は、おそらく当地域での農作業に使用する農薬の毒性の減少や、下水道の完備により生活雑排水の流出がなくなった結果、ホタルが生息しやすい環境が戻ってきたのだと考えられます。

ホタルは自然豊かで水や空気がきれいな所にしか住めません。そこに人が共存しているのは、ある意味とても幸せなことと言えます。
経済の高度成長期を過ぎて、自然環境に配慮した様々な施策の成果がここに表れているのかもしれません。

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