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先日、休日と夏期休暇を利用して滋賀県米原市にある米原公民館を訪問してきました。地図はこちら

外観

米原公民館(外観)

ロビー

米原公民館(ロビー)

この滋賀県米原市にあります米原公民館は、全国的にもたいへん珍しい公民館として、教育行政関係者に注目を浴びているところで、その大きな特徴は以下の2つです。

1.指定管理者による公民館運営

 公民館を指定管理者制度を利用して運営しているところは、全国的に見てもまだまだ事例が少ないのですが、米原市ではすべての公民館(4館)を指定管理者が運営しており、米原公民館ではNPO法人が運営しています。

2.専門スタッフの年齢が若い

 この米原公民館の運営は、「NPO法人FIELD」という「子育て支援」を目的としたNPO法人が公民館を運営しており、スタッフの平均年齢も館長の濱川さん(25歳)をはじめ、すべて20代のメンバーということで、たいへん若いスタッフにより公民館が運営されています。
 また、そのスタッフも、社会教育主事、教員免許取得者、図書館司書、学芸員資格、栄養士免許、などなど多彩な資格を有するメンバーが揃っています。

スタッフ紹介

スタッフの自己紹介パネル

 

現在、公共施設の指定管理者制度の導入は全国的にすすんでいますが、愛媛県の公民館では指定管理者制度を本格的に導入している公民館はまだないようです。

ただ、米原市にあるすべての公民館はもともとは中央公民館(生涯学習センター)であり、多くの行政視察を受け入れていることから、米原の成功事例を受けて、まずは中央公民館(生涯学習センター)を指定管理者にという流れは全国的にも加速しそうな印象を覚えました。

また、地区公民館においても、大分県日田市のように地元に協議会を設立して公民館の運営全体を管理委託する流れも出始めてきていることから、地方自治体の行財政改革により、地元住民に対して公民館の管理委託という流れについても、今後すすんでいくことが十分に予想されます。

さて、米原公民館を訪問して感じたことですが、公民館は社会教育法にもとづく「教育施設」であり、教育サービスとしての「公教育」をいったい誰がどのように担うのか、つまり、民間の力を借りるのか、住民との協働を目指すのか、はたまた行政サービスがこれからも担っていくのか、そういったことを地域住民と議論しながらすすめていき、地域住民にとって一番よい方法を選択していくことが地方自治体に求められる今後の課題と言えるでしょう。

そして、私見ですが「教育」という意味においては学校教育も同様になっていくかもしれません。学校教育においては「私学」という形で「民間による学校教育」というものがありますが、公設の学校をNPO法人によって運営を行う「指定管理者による学校経営」といったような新しいスタイルも、予算や法律面の壁を特区などで取り払うことができれば(このあたりは不勉強なのですけれど)、ひょっとしたら今後はでてくるのかもしれません。

いずれにしても、公共サービスとしての「教育」というものの捉え方の見直しという流れは、少しずつ広がってきていると言えそうです。この件についてのお問合せ先は、米原公民館(0749-52-2240)まで。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)