研究員ブログ

地域の力-食・農・まちづくり

2007年に内閣府が行った世論調査によると、住んでいる地域に「元気がない」と感じている人が53%いるという結果がでたそうで、2年半前に行った同じ調査に比べると8ポイントも増えているそうです。

地方の時代といわれていますが、現実には地方は疲弊しているという認識があるという実態があるようですが、そんな中でも地域資源を活かしながら、活力ある地域づくりをしているところも少なくありません。

そんな魅力あふれる地域づくりをやっているところの中で、第1次産業、特に農業を中心とした食と農のまちづくりをやっている農山村地域を中心とした8つの事例を紹介する本が、岩波新書から2008年2月に発売されています。

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大江正章著「地域の力-食・農・まちづくり」
(岩波新書 735円(税込))

この本の著者である大江氏は、「食・農・環境・自治・アジア」をテーマに活躍する編集者兼ジャーナリスト。とくにこの本では、次のような問題意識に立って各地の取り組みを紹介しています。

 「いま最も求められているのは、第一次産業や生業を大切にしながら新たな仕事に結びつけ、いのちと暮らしを守りつつ、柔軟な感覚で魅力を発信している地域に学び、その共通項を見出して普遍化していくことだろう」(本書「はじめに」より)。

この本に紹介されている8つの事例の中には、今治市の食育、徳島県上勝町のハッパビジネス、高知県梼原町の森林、といった四国の事例が3つも登場してきますので、身近に感じることもできるはずですし、取り上げた8つの地域の共通点なども紹介されていますので、興味のある方、ぜひご一読ください。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)