研究員ブログ

コミュニティカフェ

お年寄りは何故病院の待合室に数多くいるのでしょうか? もちろん言うまでもなく身体の具合が悪いから病院通いをしているからでしょうが、私は病院の待合室がひとつのコミュニティ施設として、高齢者のサロンのようになっているのもひとつの理由だと思うのです。

つまり、治療とあわせて病院の待合室へ行っておしゃべりをする、そういうことを楽しみにしている方もおられるのではないでしょうか? ある意味において、病院の待合室という空間は「治療」や「健康」というテーマで集まったテーマコミュニティと言えるのかもしれません。

これからは「地域コミュニティ」よりは、特定の「テーマ」で集まるテーマコミュニティの時代になるのではないかと思います。同じ悩みや課題を抱える人たちが集まって、そこから違うテーマのひとたちとつながる、そんな取り組みが始まるのではないかと思います。

そんな「人と人との交流を大事にした居場所づくり」として、都市部を中心に「コミュニティカフェ」と呼ばれるカフェをつくろうという動きがはじまっているそうです。

コミュニティカフェと呼ばれる際の「コミュニティ」とは、「地域コミュニティ」という意味あいよりは、子ども連れのお母さんや、高齢者、エコライフやスローライフに関心のある人のためなど、特定の目的をもった、いわゆる「テーマコミュニティ」となるカフェのことをさすようです。

このコミュニティカフェ、都市部を中心に「コミュニティビジネス」のひとつとしても注目され始めており、代表的な成功事例やカフェ運営のためのノウハウが書かれた書籍がこのほど発刊されましたので、今日の「研究員ブログ」ではご紹介したいと思います。

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「コミュニティ・カフェをつくろう」
 WAC著 学陽書房(1,890円税込)

この本で紹介されている事例には、年商4000万円を超えるコミュニティカフェもあるなど、ビジネスとして成功した事例もあれば、カフェがあらたなコミュニティの拠点施設として、地域の変容が見られたといったような、地域づくりでの観点の成功事例もあります。カフェ経営などに興味のある方、ぜひご一読ください。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)