研究員ブログ

深夜のビデオ観賞

 先日の朝、出勤前に歯磨きをしながら隣の部屋から流れてくるニュースを聞いていると、松山市に在住しているアクション俳優の方の活動が紹介されていた。映像を見ていないこともあり特に気に留めていなかったが、数日後、今度は新聞記事で目にすることとなる。短期間の内に連続して耳目に訴えられると、何やら妙に気になり始めた。
 ネットで詳しく調べてみると、日本のテレビドラマで活躍しているだけでなく、奇才の映画監督クエンティン・タランティーノがメガホンをとった「Kill Bill. Vol1」に出演していたことが分かった。ハリウッドデビューを果たした俳優が身近に住んでいることを誇らしげに感じながら、早速、「Kill Bill. Vol1」をYouTubeで視聴せずにはいられなくなった。
 「Kill Bill. Vol1」は、日本映画やブルース・リー映画へのオマージュを色濃く押し出した作品で、特にブルース・リー映画の場面が随所に散りばめられている。主人公が着用する黄色地に黒線の入ったトラックスーツの印象は鮮烈で、今度はブルース・リー映画を今すぐ観たいという衝動が抑えられなくなってきた。この時点でかなりの深夜だ・・・。
 我慢できず、録り貯めていたビデオを引っ張り出し、寝ながら観ることにする。ウトウトしながらヌンチャクのアクションシーンを見ていると、子供の頃、夏休みに何本ものヌンチャクを自作したことなどを思い出した。いつか対峙するであろう悪い敵と戦うためには強くなくてはならない、ヌンチャクくらいは使えなくてはならないと本気で考えていたのだ。 
 しかし、今、ブルース・リー映画を観ると、「何と乱暴なヤツだ。」という斜め目線の大人の感想くらい言わなければならない自分がいる。幼い小学生の頃に比べ、お金や知識などを得て、はるかに自由で豊かな生活を送ってはいるが、幸せになっていると思えない。
 オヤジ感にどっぷりと浸った夜でした。 

(企画研究部門 主任研究員 高市孝一)