研究員ブログ

副町長に前岩手県滝沢村長を起用

 9月28日自民党総裁選にて第24代自民党総裁に就任した谷垣 禎一氏のエピソードの一つとして、1997年、第2次橋本内閣改造内閣の科学技術庁長官として初入閣した後、1998年の金融危機にあって、小渕恵三総理大臣は宮澤喜一に大蔵大臣就任を要請し、宮澤が就任条件の一つとして谷垣の政務次官就任をあげたため、閣僚経験者でありながら大臣を補佐する大蔵政務次官となったことがあげられています。

 まだ中央省庁再編に合わせて新設させた、現在のような副大臣が置かれてなく、また、政務次官は一般に当選1~3回の与党議員が政策勉強と人脈作りの目的で就任していた事例が多かった時代でもあり、大臣経験者が就任することは、マスコミにも大きく取り上げられていました。

 一方、9月16日の官庁速報で、昨年度、当センター主催のセミナーで講演いただいた、前岩手県滝沢村長の柳村純一氏(58)が、兵庫県香美町の副町長に起用され、柳村氏は15日付で就任した。首長経験者が副町長に就任するのは珍しい。と配信されていました。

 香美町は、08年度の実質公債費比率(3カ年平均)が26.6%と、基準の25%を上回り、早期健全化団体に転落し、今後、財政健全化計画を策定し国に提出する予定で、長瀬幸夫香美町長が「柳村氏が滝沢村長在任中に職員の意識改革や
行政改革に取り組まれた実績を評価した」して、
柳村氏の実績と能力に期待しての就任要請となったようです。

 柳村氏は、滝沢村議を経て1994年11月に同村長に就任し、2006年11月まで3期12年を務め、職員の投票による人事など、在任中にさまざまな改革に取り組まれ、当センターのセミナーにおいても、「職員の意識改革」「2:4:2の法則」など、
「『役場』を『会社』に変える!~人口日本一の村を優良企業にした行政改革~」を地域の言葉で、熱く語られていました。

 先の衆議院議員総選挙で政権交代が現実のものとなり、民主党が掲げる地域主権を実現していく中で、今後、地方自治体において、首長を支える副市長等を内部からの登用ではなく、首長経験者から登用するケースが増えるかもしれません。

(まちづくり活動部門 主任研究員 小方 悟)