研究員ブログ

 鳥のさえずりで目覚める朝が多くなった。窓の外の電線に巣立ったばかりのツバメの子がいて、羽ばたきの練習をしながら親ツバメがエサを運んで来るのを待っている。そこへ親ツバメが滑空して来てホバリングしながらエサを与え、すぐさま一直線に飛翔していく。その見事な運動能力に魅せられて、つい何度も見てしまう。

 鳥は世界中の至るところで自由に空を舞っている。その飛行能力の源は、精密かつ複雑な構造を持った羽にある。羽は、わたしたち人間の髪の毛や爪と同様にケラチンというタンパク質でできており、約1億5千万年前のジュラ紀後期に生息した始祖鳥は、すでに現在の鳥と同レベルの「飛べる羽」を獲得していた。始祖鳥の進化の起源は小型恐竜か爬虫類とされているが、決定的証拠はなく、多くの謎に包まれており、突然、地球上に羽が出現している。

 人類も鳥に憧れ、大空や宇宙を目指し、これまでに飛行船や飛行機、ロケット、宇宙戦艦ヤマトなどを開発してきた。私も大空を羽ばたきたいという願望はある。しかし、生まれ変わりがあるとすれば、鳥ではなく、もう一度人間(ヨーロッパの貴族の令嬢など)として生まれてきたい。3度の食事が毛虫や蛾だとちょっとツライから・・・ 

(企画研究部門 主任研究員 高市孝一)